事務所通信

事務所通信 平成29年3月

お仕事ごくろうさまです。桜のつぼみが今開かんとする春の始まりの季節になりました。みなさま、お元気で変わりないことと存じます。
私は、ついこの間 個人の所得税確定申告を終え、ほっと一瞬安らいだのですが、すぐさま次から次へとやるべきことが迫ってまいりまして、また呼吸が速くなっているところです。
下の写真は、うちの子供と小牧四季の森へ行ったときのものです。アイスクリームを子供に買ったのですが、大きすぎてなかなか食べられなかったようです。長男の奏多(そうた)は動物にはあまり興味はなく、遊具で遊ぶことが好きです。次男の卓杜(たくと)は動物が好きで、ヤギやポニーをいつまでも見ています。写真には写っておりませんが、長女の一歌(いちか)は、ベビーカーの中で眠っております。
現在、住んでいる小牧市三ッ渕には子供があまりおりません。私が子供のときには、学校から帰ってきたら近所の友達とよく遊びましたが、そうやって遊ぶ相手もいないくらいです。しかし、こうやって公園にくると子供がいっぱいいるので、こんなにたくさん子供がいたんだなと思ってしまいます。
実は、私の父親も自営業をしておりまして、私が子供の頃は忙しくてあまり遊んでもらえませんでした。そういう状態になるのは避けたいという思いが強いので、無理をしてでも子供とは遊ぶようにしております。多分、あと数年もしたら、私と遊んでくれなくなるかもしれないという予感もしております。
また自然の力というのはすごいなと感じることも多いです。この子供二人は、室内ですとよく喧嘩をします。何が面白くないのか、たたき合ってお互いに泣いたりします。しかし、外へ出て自然の空気を感じると全く喧嘩しません。仲よしになります。不思議なものです。そういう私も公園をブラブラしながら梅の花や桜のつぼみを見ていると、息もゆったりと深くなってくるような気がします。もうすぐ五条川の桜も満開になります。桜の下を散歩するのが、今から楽しみです。みなさまは、どこの桜を見に行かれることでしょうか?

問題

経営戦略に関する問題です。

以下の二つの航空会社の航路の違いは、何でしょうか?

なんでもいいので、ご自身なりにストーリーを展開してみてください。

デルタ航路 サウスウェスト航路

 

いかがでしたでしょか?二つの図の違いから何かストーリーが出てきましたでしょうか? 実は、この問題は、経営学ではよく取り上げられるスタンダードな問題です。
答えは以下のとおりです。
デルタ航空の航路(以下Dと呼びます)は、一つの点から放射状に線が出ております。サウスウェスト航空の航路(以下Sと呼びます)は、一つの点に線が集中している部分があまりありません。物流の効率を考えると圧倒的にDが有利です。ハブセンターがあれば、荷物をいったんそこに集中的にあつめて、それから各地区に運ぶ方がコストもかかりません。しかし、ハブセンターは、運ぶ側にとっては効率が良いですが、運ばれる側にとっては効率が悪いものです。
例えば、Dの場合ですと、田舎に住んでいる人がニューヨークに行きたいと思ったら、乗り換えをして高い運賃を支払って行かなければなりません。しかし、Sの場合ですと、田舎からもニューヨーク行きの便が出ていますので、安く短時間で行くことが出来たりするのです。ちょっと極端な説明をしましたが、Dのようなハブセンター型(ネットワーク型)の航空会社よりも、Sのようなポイント・トゥ・ポイント型の方が都合がいいという人がたくさんいたわけですね。
DとSの戦いは、1970年代に激しく繰り広げられ、何度も裁判闘争にもなりました。今は、SがDを追い越し、Sの経営スタイルをDが見習おうともしております。でもなかなかDは、Sにはなれません。その理由は、以下の項目を比較すると簡単にわかります。

項目 D(デルタ航空)         S(サウスウェスト航空)
航路 ハブセンター型          ポイント・トゥ・ポイント型
飛行機 多くの機種を保有する       ボーイング737型で統一
運賃 多くの料金設定             低運賃で統一
安全性 良い                業界トップクラス
飛行距離 さまざま              短距離区間(650キロ)
利用空港 料金の高い中心都市の空港      料金の低い第二都市の空港
顧客満足度 良い               業界トップクラス
外部評価 普通              世界で3番目に尊敬される会社
Dは、あせってSを真似しようとしますが、真似できませんでした。なぜか?今更Dが航路を変更することは出来ませんし、保有する飛行機を替えることも出来ません。ですから、DはSがどんどん成長するのを黙って見ているしかなかったのです。
Sは、なぜそんなに強かったか?それは、今までのようなハブセンター型の航路を作らないで、地方と地方を結ぶ短距離型の航路を作ったからです。大企業がやらなかった隙間の部分を行ったから良かったんですね。もし、Sがただ単に、機内食を珍しいものにするとか、機内で最新の映画が見れるといった程度の特色を出してもすぐに真似されてオンリーワンではなくなっていたことでしょう。
本当のオンリーワンとは、真似したくても真似できないスタイルなんですね。「構造」の次元で特色を出したのでSは勝ったんですね。
一言でまとめます。→ 本当のオンリーワンは、小手先の特色でなく、「ビジネスの構造」という根本的なしくみから独特でなければいけない。
ではそのオンリーワンの企画はとにかく奇をてらって今までにないものであればそれでいいのか?というとそうではないと思います。
私は、経営理念から生まれたオンリーワン企画でなければ成功しないと思います。経営者のマグマのようなおさえきれない情熱が、現実の行動に移していったらオンリーワンになっていた。必然的オンリーワンであった。というのがいいと思います。誰でも心の中に、その人しかない独特の感情・ポリシー・思い出があると思います。そういう心の中のものを現実社会に思い切って出してしまえば、それは必然的オンリーワンになると思います。また同時に、構造的オンリーワンにもなると思います。
サウスウェスト航空の創業者も、自分が飛行機による旅に不便を強く感じていたので、その心のエネルギーを爆発させて航空会社をつくりました。だからまず初めにあるのは経営理念、人の心だと思うんです。
さて、舩橋会計は、必然的構造的オンリーワンをもっているか?・・・そうですね。もし、舩橋会計にそういうものがあるとしたら、現時点では継続MAS(けいぞくますTKCのツール)の徹底活用かなと思います。継続MASは、当たり前ですが自分で考えたものではなくて他人が造ったシステムです。私のような平凡な人間は、天才の作ったものをお借りして仕事をさせてもらっています。でもそれが自分の経営理念と合致したシステムなので、今ではそれが生きがいになっております。
オンリーワンといっても全てをゼロから自分で開発する必要はないと思います。TKCの継続MASも世に出回っており、TKCの会員税理士なら誰でも使えます。しかし、手間がかかるのと難易度が高いので、ほとんどのTKC会員税理士は使用しておりません。だから私が開発しなくても(どうせ開発なんて出来ませんけど)既にあるものを使うだけでも、この地域ではオンリーワンになれるのです。
他力本願でオンリーワンを目指すのも良いと思います。オンリーワンになるヒントは、実はすぐそばにあって、ちかすぎて見えないだけかもしれません。一緒にオンリーワンを目指しましょう。そしてオンリーワンが見つかったら教えてください。お祝いに花束をお持ちしたいと思います。

 

経営革新等支援機関 小牧
裏面に印刷させていただきましたように、舩橋会計は国より経営革新等支援機関として認定されました。経営革新等支援機関としてご相談に対応できる項目は、以下の項目などです。
●創業支援            ●事業計画作成支援
●事業承継支援          ●金融・財務支援
●販路開拓・マーケティング支援  ●補助金支援
税理士には税金計算だけ行うタイプと、税金計算以外の経営助言も行うタイプがあります。私の場合には、まだまだ未熟ですが経営助言も行っていきたいと考えています。なぜかというと、会計帳簿を把握しているのは、税理士だけだからです。会計帳簿は、水道や道路と同じで会社のインフラだと思います。金融機関との折衝も企業保証額算定も税務助言も全て、正確な会計帳簿があるから行えます。
会社インフラの会計帳簿を最も把握している税理士こそが、最も適正な経営助言が出来るはずなので、その経営助言を放棄するということは、社会的責任を放棄することに等しいのではないか、と思うのです。その思いに実力がともなうように、今後もさまざまな勉強に取り組んでお客様のお役に立てるように精進してまいります。