建設業会計

完成工事未収入金

建設業会計特有の勘定科目に完成工事未収入金というものがあります。これは、一般経理の売掛金に該当するもので、定義としてはそれほど難しく考える必要はありません。

ただし処理の過程の中で、この完成工事未収入金の取引先ごとの残高を正確に出すのは意外に大変です。ですので会計ソフト(TKCならDAICダイク)を使用する場合には、完成工事未収入金の残高を合計で出すのでなく、取引先ごとに出す形式に設定する必要があります。

仕訳も注意する必要があります。建設業は完成前に頭金や中間金をもらうことがあります。それは未成工事受入金(前受金と同じ)で処理するのですが、その残高を完成工事売上高(売上と同じ)から引いた金額が完成工事未収入金となります。・・・難しいですね。仕訳で考えてみます。

①まず中間金を受取ります。

現金預金 1,000 / 未成工事受入金 1,000

②次に完成して売上を計上します。

完成工事未収入金 3,000/ 完成工事売上高 3,000

未成工事受入金 1,000 / 完成工事未収入金 1,000

(完成工事未収入金の残高は)

3,000-1,000=2,000

このようになります。この残高を取引先ごとに把握するために、完成工事未収入の勘定科目は、補助科目(弥生会計なら)とか20番管理(TKCなら)などにして、各々で残高把握できるように設定します。

そして毎月月末に長期滞留債権がないかを確認します。建設業は、資金繰りが命という部分がありますので、長期に渡り回収が出来ないお金をそのままにしておくと、会社を危機におとしいれます。

経理担当者や財務担当者がそういった長期滞留債権の有無を経営者に報告できるといいですね。

※愛知県小牧市の税理士。春日井市、江南市、名古屋市などでも活動しております。