建設業会計には工事未払金という科目もあります。これは、一般会計でいうところの買掛金(負債)となります。だったら工事未払金でなくても、そのまま買掛金でいいんじゃないの?という声も聞こえてきそうです。確かにそうです。ただ多くの建設業専用会計ソフトでは、工事未払金を使っていますので、この科目を使用することになります。
仕訳で考えてみます。材料を購入するために前渡金を仕入先に支払ったとします。
前渡金50/工事未払金50
では次に80の材料の請求書がきたとします。
材料80/諸口80
諸口50/前渡金50
諸口30/工事未払金30
ここで工事未払金(負債)が出てきます。そしてその後、この30を支払ったとします。
工事未払金30/預金30
工事未払金は、下請の数分発生します。下請が20社あれば20種類の工事未払金が発生するということです。そのため下請先ごとの工事未払金の金額をそれぞれ明確にして管理する必要が出てきます。そのため、工事未払金はまとめて把握するのでなく、補助科目や枝番などを設定して細かく残高を把握するようにします。
基本的には、支払えば工事未払金の残高はゼロになります。そしてマイナスになることはありません。同じ残高が長期間残っているならば、おかしな処理がないかなと注意します。
工事未払金の下請先ごとの残高が毎月明確になっている・・・これは建設業会計に限らず一般会計でも大変重要なことで、かつ、基本的なこととなります。