建設業会計には、未成工事受入金(負債)というものがあります。建設業は外注費や材料費など原価に多額の金銭がかかり負担が大きくなるため、頭金や中間金を受け取ることがあります。完成する前に受け取っているので、売上にしないで未成工事受入金という科目を使います。
一般会計でいうところの前受金と同じです。未成工事受入金は現場ごとに分けて管理する方がわかりやすいので、補助科目や枝番号などをつけて現場ごとにその残高を把握すると良いです。
仕訳がおきると下記のようになります。
1.頭金や中間金を受け取ったとき
現預金70/未成工事受入金70
2.完成して引き渡しをしたとき
未成工事受入金70/諸口70
現預金30/諸口30
諸口100/完成工事売上高100
この未成工事受入金は、完成したときにはゼロになります。完成しているのにゼロにならない、とか途中で残高がマイナスになる、ことはあり得ません。なにか処理ミスが起きているはずです。
このようなことを発見するためにも、未成工事受入金は現場ごとに(施主ごとに)残高を把握します。