事務所通信 平成30年5月

記憶は技術(経営者は、教育者)

記憶力がいい人は、頭がいい人。記憶力がいいとテストの結果もよく、最終的には良い人生を生きることが出来る。でも記憶力は才能だから、特別な人にしかその多くは与えられていない。・・・なんて世の中では思われているような気がします。でも本当にそうでしょうか?私は、記憶というのは歯磨きや料理と同じように、一つの技術ではないかと感じます。

記憶の方法には、大きく分けて3パターンあります。一つ目は、そこに意味を付け加える。二つ目は、教える側の実体験を話す。三つめは、体を動かして体験として覚える。この順に忘れにくくもなるようです。以下順番に具体例を挙げてみます。
●一つ目 意味を付け加えて覚える 例えば小学校1年生にとって女という字を覚えることは、簡単ではありません。女という字を10回書いても明日までは覚えていられるかもしれませんが、これではすぐに忘れてしまいそうです。そこで女という字は、く ノ 一 (くのいち)と声に出してみます。そして「くのいち」というのは、女性の忍者のことなのだよ、と意味を付け加えます。
また女という字に﹅﹅と二つ付け加えますと、母という字になります。﹅﹅は、涙のようにもみえます。女の人で自分のために泣いてくれるのは、お母さんだよ、と意味を付け加えれば、母という字も一緒に覚えられます。
さらに母の上に草冠を書けば、苺(いちご)という字になります。いちごは甘くて可愛くて人間に恵を与えてくれる。まさに草の母だね。と立て続けに意味を加えれば、これで合計三つの漢字を簡単に、しかも長期記憶として覚えることができます。
意味を付け加えるという「ひと手間」を掛けると、記憶が強固になるならば、その「ひと手間」は結局は効率が良いということになります。
●二つ目 教える側の実体験を話す。 例えば子供に「平等院は宇治市にある」ということを覚えさせるとします。「平等院は宇治市」とノートに10回書けば明日までは、覚えていられるかもしれません。しかし、一生覚えていられるようにするには実体験を話すと良いです。次のように・・・パパはね。平等院へ高校生の時に行ったんだよ。平等院っていうのは、10円玉にも描かれているよ。横に宇治川っていう川が流れていてね。その川は、緑色しているんだよ。そういえば宇治茶も緑色だね。パパは、その緑色した宇治川の横を歩きながら、「どうしてこの宇治市という場所に平等院が造られたのだろう」と考えたよ。この宇治川の上流に行けば極楽があると昔の人は考えたんじゃないかな。そう思わせるくらい、この宇治川の緑色って深くて人を安心させる色をしているんだよ。日本地図でどこにあるか確認してみよう。
こんな感じで「平等院は宇治市」と覚えれば、なかなか忘れたくても忘れられないのではないでしょうか。もちろん、ここでも「ひと手間」かかります。
●三つ目 体を動かして体験として覚える。この説明は、すごく簡単です。例えば、車の運転や自転車の運転。それから料理など。体で覚えたことは、忘れません。ですから、パソコン操作や機械操作を従業員さんに教えたいなら、口頭や説明書を渡すだけでなく、実際に手を動かして操作してもうらうと良いです。隣にいて、その操作が正しいかどうかを確認しなければなりませんし、何か質問もされるかもしれませんので、やはりここでも「ひと手間」発生します。
今回、なぜ私がこのようなお話しをしたかというと、経営者の仕事の多くは、従業員に技術や知識を覚えていただくということだからです。従業員に何かを覚えていただくコツを知っている経営者は、それだけで会社を発展させると思うのです。
人に何かを教えるということは、大変な作業です。面倒な作業です。出来ることならさっさと自分のやるべき業務を片付けたいところです。しかし、そこをグッと我慢して、ていねいに従業員さんに教えていただきたいと思います。ていねいに教えて一番得をするのは誰でしょうか?私は、「ひと手間」かけた社長自身だと思います。そのように教えられた従業員は、加速的に知識や技術を吸収して、お客様にも同じようにていねいに接することでしょう。売上はあがり、労働分配率(限界利益に占める人件費の割合)は下がっていきます。

このようにみてくると、経営者というのは教育者とも言えると思います。良い教育をされた従業員は、家庭に帰っても良い思想や言葉をもつと思います。お客様に対しても良い影響を与えてくれます。つまり地域全体がほんのわずか、かすかに振動し良い波を打つと思うのです。その小さなさざ波が繰り返し重なれば地域経済にも気持ちのいい気づかいや言葉が生まれ派生するだろうと考えます。
それくらい経営者の言葉というのは、重い。他者に影響を与えています。さて、私舩橋自身はどうでしょうか?従業員さんの質問にめんどうくさそうに対応していないでしょうか?ちょっとあせります。気を付けたいと思います。


裏面にシニア層の労働に関する記事を掲載いたしました。私の感想から申しますと、若い方よりもお年をめした方の方が複雑な問題に対応する力がおありだと感じます。錯綜する情報を整理して落ち着いて判断できるのは、長年の経験がおありだからだろうと考えます。
また年齢を増すと記憶力が低下するというのは、単なる思い込みではないかと感じます。記憶は能力ではなく、技術ではないかと思うからです(これについては別紙でお話しします)。
反対に、お若い方は、瞬発的な情報集計能力が高いと感じます。例えば、大量のデータを短期間で処理したり、膨大な情報の中から一定条件を満たすものを探したり・・・。しかし、このような情報集計能力は人口知能が得意であり、今後どんどん機械に置き換わっていくと思います。
人間にしか出来ない複雑で建設的な総合判断。これこそが、お年をめした方の得意分野です。そして、これこそが、人口知能には出来ない今後求められる能力です。
これからは、シニア層が輝く時代ではないでしょうか。短時間であれば、お若い方に負けないパフォーマンスを発揮されると思います。

事務所通信 平成30年4月

つれづれ日記 16回目    端午(たんご)の節句(せっく)

人形
写真は、岳父からいただいた五月人形です。リビングが狭いので、こうしてガラスケースに入るサイズを飾っております。私は、人形のお顔を見るのが好きで、人形の前に椅子をもってきてしみじみと眺めたりします。
昔、中国では5月に厄払いをしていたそうです。それが日本の武家社会に取り入れられて、やがて跡継ぎの無事を祈る儀式になっていったそうです。現代では、男の子の成長を祈る国民的行事となりました。
長男は、今年から小学校1年生になりました。無事1年生まで成長できましたので、この5月人形にお礼をいわなければなりません。
1年生になると、「ひらがな」や「足し算」などを学びます。いろいろと学ばなければならない事が増えてきますので、ついつい子育て理念を忘れてしまいそうになります。
僕が決めた子育て理念は、「非常事態に強くなる」ということです。それには、答えの存在しない問題を時間をかけて考えて欲しいと思います。
そのため、会話の中で、次のような質問を子供にしたりします。
●先生はあのようにおっしゃったけど、本当は何が言いたかったと思う?人間って本当に言いたいことは言わなかったりするんだよ。そうちゃんも授業中にトイレに行きたくても、すぐに「トイレに行きたいです」って言えないでしょ。
●ピアニカでこの曲を弾くと、どんな空を思い出す?パパは、雲が高くてどこまでも広がっていくような空を思い出すけど。昔見た空かな?どんより曇った空かな?空を思い出しながらピアニカを弾いてみて。何かを思い出しながら演奏するのが、すばらしい演奏なんだよ。
●アインシュタインという人は、子供の頃にテストで1+1=2にならない、と書いたんだ。それで先生から「この子は、まともな大人にはなれない」と言われたんだよ。でもパパも1+1=1になるときがあると思うんだ。そうちゃんは、どんなときに1+1=1になると思う?
・・・こんな会話をいつも子供としています。たいへん楽しい時間です。そういえば、経営者の方もいつも答えのない問題に取り組んでおられると感じます。
もしも、答えの決まっている仕事だけをしているならば、それは従業員の立場のことをしているということになってしまいます。いえいえ、従業員だって答えのない問題に取り組んだりします。
経営者っていったい何者なのでしょうか?経営者の実態は、フワフワ・プニョプニョして輪郭(りんかく)のハッキリしない滲(にじ)んだものだと思います。ちょうど水彩画が滲(にじ)むように。
経営者は、晴れた一本道を迷いなく道草もしないで歩くような者ではないはずです。常に不確実で白とも黒とも言えぬような曲がりくねった道を迷いながら進んでいく、それが経営者の実態だと思います。なぜなら経営者は、イノベーション(技術やサービスの革新)を起こさなければ従業員を幸せに出来ないからです。利益は、イノベーションなくしては発生しません。
今自分が歩いている道が正しいのか、間違っているのか、それは誰にもわかりませんし、教えてくれません。それでも、その不確実な道を進み続けなければなりません。
その姿は、砂漠を進むキャラバンの隊長に似ています。
その姿は、ストレンジャーであり、いつも橋から川を眺めているムーミンのスナフキンを思い出させます。
その姿は、霧(きり)につつまれた森の中をさまようエクスプローラー(探究者)のようです。
もしも日常の雑務に追われて、茫洋(ぼうよう)と将来の会社の行く末を思い描く時間がないのであれば、その時間を強制的に確保していただきたいと思います。
舩橋会計との会話が、その未来を思いまどろむきっかけになっていただければ幸いです。


レモン市場(しじょう)とは
経済学では、不良品ばかりが出回ってしまう市場のことをレモン市場(英:lemon market)と呼びます。アメリカの俗語で、質の悪い中古車をレモンと呼ぶのが語源です。
このレモン市場を唱えたのは、アメリカの経済学者ジョージ・アカロフ(1970年)です。内容は、以下の通りです。
① レモン市場(中古車販売業界)では、売り手は取引する商品の品質をよく知っています。
② しかし、買い手は、その取引する商品の品質まではよくわかりません。
③ そのため売り手は買い手の無知につけ込んで、悪質な商品(レモン)を良質だとだまして販売する可能性があります。
④ 買い手は不信感からレモン市場(中古車販売業界)では、良質な商品を購入しなくなります。
⑤ 良質な商品が売れないので、結果的にレモン市場では、低品質の商品ばかり出回ることになります。本当は、レモン市場の中にも質の高い中古車もあるはずなのに。
では、このような悪循環を断ち切るためにはどうしたらよいのでしょうか?
ここからは私の見解となります。まずレモン市場がなぜ発生するのか?それは、売り手と買い手の情報格差があるからです。売り手と買い手が同じ量の情報をもっていれば、そこに不信感は生まれません(売り手が買い手をだますことが出来ないからです)。
売り手と買い手が同じ情報をもっており不信感がなければ、「レモン市場(中古車販売業界)の中にも高品質な中古車が存在するんだね」という共通認識が広がります。
そして、売り手は自信をもって「これは良いものだから値段は高くなりますよ」と言えます。
つまり売り手が全情報を開示すれば、悪循環は断てるはずです。
レモン市場は、どこにでも存在します。
このレモン市場を他人事だと思わないでください。レモン市場は、皆様の会社の中にも存在するはずです。本当はすごく良い商品やサービスがあるのだけれども、その情報をしっかり公開していないために、取引先から高品質を期待されていないという状況にはなっておりませんか?
「うちの良さをわかってくれない」とか「本当はいい商品があるのに売れないのはなぜ」というお気持ちはございませんか?もしそういうお気持ちがおありなら、今一度それらの商品やサービスの情報をお客様や取引先に十分公開しているか再確認してください。
もしかしたらお客様側からしたら、「そんなに良い商品があるなら、どうしてもっと早く教えてくれなかったの?」と思うかもしれません。
モニタリングサービス始めませんか?
売り手と買い手の情報格差を経済用語で、「情報の非対称性」と言います。会社と金融機関でもこの「情報の非対称性」が存在します。会社は、財務状態を熟知しています(自分の会社のことなので)。しかし、金融機関は、その会社の財務状態が本当に良いかどうか確信がもてません。だからなかなかお金を貸せなかったりします。
モニタリングサービスを行うと、会社の財務状況をインターネットを通じて金融機関が自由に閲覧できるようになります。財務情報としての「情報の非対称性」が解消されるわけです。会社も金融機関も同じ財務情報を共有するので、そこに信頼感が生まれます。金融機関からすれば、安心してお金を貸すことが出来ます。
外注費などを前払いする製造業や建設業などは、緊急で借入を行う必要が生ずる場合があります。そんなときに日常からモニタリングサービスをして金融機関に財務情報を公開しておけば、緊急の借入にも対応可能となります。
またモニタリングサービスが出来るということは、会社としてレベルの高い財務処理を行っている証拠となります。会計処理が遅れていたり粉飾をしていたりしては、モニタリングサービスを実行できないからです。
モニタリングサービスは、会社のステータスをも上げます。舩橋会計は、TKCのモニタリングサービスをサポートすることが出来ますので、ご質問等あればご連絡ください。

しゃくなげ

事務所のシャクナゲが花開きました。ここまで大きくなるのに10年ほどかかりました。毎年この姿を見るのが楽しみです。


企 業 防 衛 の 意 味
平成30年4月 税理士 舩橋信治
今日は、保険のお話しをさせていただきます。
舩橋会計では、保険のことは「企業防衛」と呼んでいます。では、いったい何から防衛するのか?以下事例を挙げます。

よくあるシチュエーション
●社長がガンで死亡しました。死亡時には、社長の会社に3,000万円の借り入れが銀行からありました。
●社長は保険に加入していなかったため、会社に保険金が入りませんでした。
●社長の奥さんは、一軒家に住んでいました。
●従業員は5名いて毎月の給与支払い合計額は、200万円です。
●この会社は、社長のカリスマ性と技術力で売上を獲得していたため、社長の死亡によって、売上は半減しました。そのため、会社を閉鎖することにしました。

さて、結果はどうなったでしょう
① 家族:会社に借金があった場合には、残された家族の土地建物がとられる可能性があります。アパートや親族の家に住まわせてもらう必要が生じます。
② 従業員:退職金や退職するまでの給与がもらえるか心配です。次の職場が見つかるまでの生活費の確保が心配です。
③ 取引先:会社を閉鎖するまえに未収金を払ってもらわないと、取引先は倒産する可能性が出てきます。

まとめ
かんたんにお話しをつくってみました。しかし、これを作り話と思わないでください。こういった状況になってしまった方が、舩橋会計のお客様にも現実にいらっしゃいます。
社長は、生きている間だけ責任をとればいいわけではありません。死んでからも経営者としての責任は残るのです。自分が今すぐ死んでも、残された家族や従業員や取引先が困らないように準備をすべきです。
通常の保険アドバイスは、節税や運用益を中心に考えます。しかし、舩橋会計は、社長とその周りの人々をやがて訪れる運命からお守りすることを第一に保険アドバイスを致します。だから舩橋会計では、保険のことを企業防衛と呼んでいるのです。

事務所通信 平成30年3月

つれづれ日記  15回目    紙芝居劇場     平成30年3月1日

私は、子供に紙芝居を読んで聞かせるのが毎日のルーティンワークになっております。なぜ絵本でなく紙芝居なのかと申しますと、私の家には三人の子供がおりまして、紙芝居ですと三人に対して一斉に読み聞かせることが出来て効率が良いからです。また一人の子供だけに絵本などを読んでおりますと、残りの子供がすねて階段に行ってしまったりします。三人平等に扱うという点でも紙芝居は良いのです。
しかし、紙芝居の欠点は、一斉に読み聞かすので、それぞれの子供のレベルに合ったストーリーを提供できないという点です。だいたい紙芝居というのは、5歳から7歳くらいの子供向けに造ってあるような気がします。うちの一番下の娘(長女)は2歳ですので、紙芝居を聞いてもそのストーリーは、ほとんど理解していないのだろうと感じます。まー、嫌な顔をしないでじっと聞いているので、お兄ちゃんと同じものを一緒に聞いているという満足を得ているのかなと推測しております。
ただときおり紙芝居を読みたくない日もあります。花粉症などで鼻が詰まっているときや、仕事が忙しいときは気持ちがのりません。ですので、さーとその場から逃げて一人になるようにしています。
私は、人間の五感の中でもとりわけ耳というのは、ひじょうに発達した機能だと考えております。赤ちゃんが胎児でお母さんのおなかの中にいるときに、一番初めに感じたのは、お母さんの心臓の音ではないでしょうか。それを耳から感じているのではないかと思います。
また人が死ぬ間際まで機能している五感も耳ではないでしょうか。死ぬ直前に目が見えなくなって指先の感覚がなくなっても、音だけは最後まで聞こえるのではないかと考えます。
さらに申しますと、赤ちゃんの学習は耳から始まります。まずは親などの声を聞いたり、風の音を聞いたりして、世界の存在を察知するのではないかと思います。
経営者も相手の耳の存在を意識して、言葉を発すれば、それは強力な武器になることでしょう。そしてその言葉と耳の作用を熟知して相手の心を自分の手のひらに収めてしまうことが、既にワザ化されている経営者は、卓越経営者として「他者からの尊敬」という祝杯を味わうことが出来ます。
むかーし、むかし、おじいさん と あばあさん がおりましたと。おじいさんは、山へしばかりに おばあさんは 川へせんたくに ・・・・この僕の声を彼らは、大人になっても覚えているでしょうか?ほとんど忘れているのだろうな。
昔話のストーリーは、必ず決まっています。正直者が幸せになるというストーリーです。ですので、私もミスをしたときには、正直にお客様に全てをお話ししなければならないと感じます。


何をすべきか、と同じくらいに、何をすべきではないか、ということに我々は、責任をもつべきである

上記の言葉は、私のお客様の名刺の裏に書いてあった言葉です。なぜか、私はこの言葉が気になって折に触れて記憶の引出しが開きます。
会社の業績が思うように伸びないケースがあります。この場合、多くの経営者の方は、「何をしなければならないか」と悩まれます。もちろん新しいアイデアを出すことは、とても重要だと感じます。
しかし、それ以上に大切なのは、「何をやめるべきか」ではないでしょうか?利益の発生しない分野に多くのエネルギーを費やしているために、業績が伸びないということは、意外に多いのです。
80年代の日本企業は、世界的にみても圧倒的に強かったです。しかし、90年代に入るとジャパン・アズ・ナンバーワンという言葉に斜陽が差してきます。
その理由は、いろいろと言われますが、大きな要因として、「日本の企業は本業以外をやりすぎる」ということが挙げられます。もうからないのに将来の投資ということで、いろいろなことに手を出しすぎるらしいのです。
たしかにそうかもしれません。私がアイシン精機にいた頃には、いったい何をしているのか全く見当のつかない部署が刈谷の本社ビルに存在していました。
さて、私達個人事業者やファミリー企業も本業以外のことをしていないでしょうか?本業以外のことをして失敗するのも良い経験だと思いますが、それが長期に渡ると深刻な状況になります。
個人事業者の場合は、生活全体が事業とリンクしているため、学校関係の活動や業界団体の役員その他地域のボランティア活動なども本業以外の活動と考えて良いでしょう。
私は、無理をしてボランティアをする必要はないと考えています。雇用を生み出して納税をしているだけで十分に社会貢献をされていると思うからです。
何をすべきか、は広き門で   何をすべきではないか、は狭き門  のように感じます。


自己破産する方の共通点
舩橋会計でも3年に1件程度の割合で、自己破産するお客様がいらっしゃいます。その方々の共通点は、「会計処理をまとめてされる」ということです。会計処理をまとめてする、と以下のような問題が生じます。
●決算の時になって、やっと自社の状況を知る。それまでは、自社が儲かっているのか、損失を出しているのかわからない。
●経営を数値を使って考えることが出来ないため、客観的に冷静に自分を見ることが出来ない。感情的に物事を考えてしまう。
●税金がどれくらい出るのかわからないため、資金繰りに困る。
●数値を使って社内会議をすることが出来ない。そのため、感情的に個人攻撃をするか、その反対に、全く無関心でコミュニケーションをとらないといった状況になる。

そもそも自己破産しないために会計処理を遅れずに正確に行うというのは、中世ヨーロッパの都市国家で始まりました。会計処理というのは、税金計算のために始まったのではありません。自己破産防止のために始まったのです。
むかしの人は、よくわかっていたのです。会計処理が遅れるような会社は危ないと。

また、私は会計処理の必要性を以下のように考えます。
会計処理は、税務署に報告するためのものと一般的には思われています。しかし、税務署の前に、自分が自分に報告をする役割があるのだと思います。
結果がよかろうが、悪かろうが、それはどちらでもいいではないですか。一所懸命に努力したのなら、結果に一喜一憂する意味はありません。
それよりも1年間頑張った自分に、自分が報告をしてあげないといけないと思います。報告しなければ、1年間頑張った過去の自分は無視されたままです。
結果を見るのは、とても怖いことだと思います。本当の自分の力量を知るのは、辛い作業です。ここを直視して冷静に受け止められる方は、とても強い方だと思います。

事務所通信 平成30年2月

つれづれ日記14回目    型の文化        平成30年2月6日
先日、うちの長男(6歳)の通っている幼稚園の授業参観がありました。内容は、剣道です。長男は、普段剣道は嫌いだと言います。先生が怖いらしいのです。しかし、この日は、剣道の防具を付けることができ、その防具が気に入ったようで、剣道は好きと言い出しました。
剣道や柔道、弓道、茶道、書道、香道など日本には、道という字の付く文化が多いです。これらは、全て型の文化ですね。一定の型を学ぶことに、全エネルギーが費やされます。型があると、自由がないようにも感じます。とても息苦しいような気もします。自由とは、型やルールのない無調整の状態をいうような気もします。
例えば政治で、自民党とか共産党とか民進党のように政治には一定のグループがあります。それに反して無所属というアナーキー(無思想)な立ち位置もあります。アナキスト(無政府主義者)は、「自分はアナキストだからどの考え方にも縛られない」と言ったりします。しかし、本人は気づかなくても「どの考え方にも縛られない」という考え方に縛られているのです。
これは会社にも当てはまります。うちの会社は、「どのスタイルにも属さない自由な方針」だ、と言ったとしても、それは、「どのスタイルにも属さない自由な方針」という方針に縛られることになります。究極的な例えではありますが、結局私達人間も組織も一定の型にはまらずに生きていくことは、不可能だと言えます。
また型とかルールというものは、人や組織を本当に拘束するものでしょうか?例えば、道路交通法が存在しなくて、「右でも左でもいいから好きなように走ればいい」とか「車が来ると思ったらストップすればいいから信号はありません」と言われたらどうでしょうか?そんな道は、とても怖くて車では走ることは出来ないですよね。道路交通法という一定のルールがあるから、私達は、車に乗って好きな時間に好きな所へ移動することが可能となります。
音楽ではどうでしょうか?ドレミファソラシドという音階は、教会音楽から生まれました。古典クラシックや歌謡曲は、この音階を使っているので聞きやすいです。ジャズであれば、ブルーノートスケールを使います。フラメンコならスパニッシュスケールを使います。ヨーロッパの舞曲では、ハンガリースケールを使ったものがよく知られています。つまり音階(スケール)という一定の型やルールがあるから、その中で自由な作曲が行なわれるのです。そして、いくら自由に作曲してもスケールという型を守っている以上、曲調は崩れないのです。
こうして考えてきますと、会社にも型やルールが必要なのではないか、そういったものがあった方が社員は自由な発想や取り組みが出来るのではないか、という気がします。反対に、全く型やルールのない会社というのは、とても怖いようにも感じます。型やルールがないということは、社長の「鶴の一声」で全てが決まってしまうからです。
ここで誤解を招かないように補足いたしますが、ここでお話ししている型やルールというのは、単に人を縛り付ける規則のことではありません。例えば、「朝は8時に出勤して遅刻してはいけません」とか「来客があったら、〇〇さんが煎茶を出しなさい」とか「金髪は禁止です」と言ったものではありません。ここでお話ししている型やルールというのは、あくまで社長の理念から生じた、その理念を守るために必要なルールということになります。「金髪は禁止です」というルールも社長の理念から生じているならば、それは人を縛るものではなくて、型と言っても良いかもしれません。
現実的にも社長の理念から発生した型やルールでなければ、従業員はそれを納得して守ろうとはしないと思います。理念なき、ルールの押し付けでは反発を招くおそれがあります。
社長の理念から生じた型を持っている会社は、自由をもっており、その自由な領域の中で社員は柔軟な発想を楽しむことが出来る、と私は現在のところ考えております。
息子は、剣道を続けるのでしょうか?気まぐれな子供なので、明日には別の何かをやりたいと言っているかもしれません。しかし、剣道というのは、考えてみるとつくづく不思議なスポーツです。剣道は、おそらく確実に相手を殺す方法を突き詰めていった末に、現在のルールが出来上がったと思うのです。武士が刀を差して歩いている時代に発展した武道が剣道です。武士が「習い事感覚」で剣道をやっていたとは思えません。本当に相手を殺すことを念頭において、剣道の練習をしていたはずです。でなければ自分が殺されるので。
相手を確実に殺す効率を究極に考え抜いた末に、型が出来た。そこに剣術ではなく剣道という「道」が出来た。道というのは、心の在り方も含めた人の生き方です。効率を究極的に求めていくとそれに相反する心にたどり着く、芸の不思議さというか奥深さを感じます。


平成29年度分の個人の所得税確定について

★申告期限:平成30年3月15日
★下記のうち該当する資料の送付をお願いします。
●国民健康保険料 支払証明のハガキ
●生命保険、地震保険料控除等 支払証明のハガキ
●年金の源泉徴収票 平成29度分
●給料の源泉徴収票 平成29度分
●医療費の領収書 平成29度分
●寄付金の証明書 平成29年分
●住宅借入金控除申告書 平成29度分
●住宅借入金控除のための借入金残高証明書
●個人事業主の方
●現金出納帳 、 クレジットカード明細
●通帳のコピー(A4サイズで130%コピー)
●売掛金明細、買掛金明細、棚卸残高(H29.12.31)
●賃金台帳
●不動産、株等の譲渡があった場合はその資料
お忙しいと存じますが、まだ上記資料を弊所に郵送されていないお客様は、早急にお送り下さいますようお願い致します。


平成29年度分の贈与税申告について

平成29年度中に下記の事項に当てはまる行為を受けた方は、平成30年3月15日までに贈与税の申告書を税務署に提出する必要があります。

  • 借入金を免除された場合
  • 実際の時価よりも著しく低い価格で資産を購入した場合(時価100万円を超えるような資産)
  • 家賃を払ってもらったなど経済的利益を受けた場合(年間の経済的利益が110万円以上の場合)
  • 生命保険金を受け取った場合で、被保険者や保険金受取人以外がその生命保険料を支払っていた場合
  • 年間に110万円をこえるお金を受け取った場合
  • 年間に時価110万円をこえる資産を無償でゆずってもらった場合
  • 土地や建物の名義を変更した場合
  • 株をもらった場合(株主名簿の変更)

事務所通信 平成30年1月

経営理念をお持ちの会社は多いです。しかし、その経営理念は、浸透させなければ意味がありません。経営理念の浸透には、5年から10年ちかくかかると感じます。

なぜそれほど時間がかかるのか?それは、経営理念というのは、その仕事のレベルが経営者と同レベルにならないと必要性を感じないからです。経営者がつくった経営理念の意味は頭では理解できるけど、それを実感として必要なものと感じることは難しいのです。仕事のレベルが初歩の段階ですと、大きな困難に遭遇していません。そのようなレベルの人間が経営者と同じ情熱で経営理念を信用することは難しいのです。

また経営者がAという経営理念をもっていても、従業員はA‘やAAといった少し形の違った受け止め方をします。もしも従業員がスポーツマンだったら、過去のコーチの教えを重ね合わせて経営者の経営理念を理解することでしょう。もしも従業員が親から大切にされて育ったのなら家族愛と結び付けてその経営理念を理解することでしょう。

ですので、なるべく経営者と同じ感覚で経営理念をもってもらうためには、何度も何度も反復して事例を出しながら伝えていくしかないのです。朝礼や仕事を教えるときに、経営理念をミックスさせながら情熱をもって語る必要があります。だから経営者は大変なんですね。もしも経営理念を語らないで、ただ従業員を注意だけしてしまうと、それは経営者ではなく管理者になってしまいます。

なぜその仕事をするのか。その仕事にどんな意味があるのか。そういった仕事の重量感やプライドを従業員に植え付けさせるのが経営者の役目でもあります。反対に、そういったことが語れる経営者は、従業員から見ても魅力的な経営者に映ります。

また仕事の重量感やプライドは、正社員だけでなくアルバイトにも植え付けさせる必要があります。ディズニーで働くほとんどの人は、アルバイトです。しかし、その接客レベルはひじょうに高いものがあります。なぜディズニーの接客レベルは、アルバイトにもかかわらず高いのか?答えは簡単です。経営理念があるからです。そして、それを浸透させているからです。

ディズニーは、映画などでそのイメージが初めから構築されております。映像なので誰からもわかりやすいのです。ディズニーという人は、青年になっても汽車を眺めるのが好きだったようです。草原に寝そべり、夜になっても、明かりをともしてこちらにやってくる汽車をずっと眺めている、そういう青年だったようです。大人になりたくても、子供の頃のあこがれを捨てられない、捨てようと思っても自分では捨てることが出来ない、大人になれない。子供だった自分がいつまでも、現在の自分を追いかけてくる。そういう葛藤のエネルギーをアニメに注いでディズニーは生まれたのではないか、と個人的に考えております。

ディズニーのアルバイトさんに以下のような質問をすると、以下のような答えが当たり前のように返ってきます。それは、経営理念が浸透しているからです。

●質問:ゴミ拾いをしているんですか?
アルバイトさんの答え:いいえ、夢のかけらを拾っているんです。

●質問:ミッキーの中は、本当は人間なんでしょう?
アルバイトさんの答え:いいえ、あれがミッキーなんです。あの舞台にいるミッキーがミッキーなんです。

これは、本に書いてあった話ではなく私の友人から聞いた実話です。彼は、ダンスが好きでオーディションに応募してディズニーのダンサーになりました。雇用形態はアルバイトでした。それでも夢のディズニーで働けるということで、大喜びでした。

経営理念が明確に浸透していると、働く人も喜びをもって働けるし、強制されなくても会社のイメージを守ってくれるのかな・・・彼が喜々としてディズニーでの労働を話す光景を思い出すと、そう考えるのです。


 

つれづれ日記 13回目  犬とは
あけまして、おめでとうございます。平成29年があっという間に疾走してあちら側の世界に行ってしまった、と思うほど短かった1年でした。これからもこうやって早く時間が経過してしまうのかな?それはちょっとまずい状態なんじゃないかな、と感じるところです。もう少しゆとりをもって、時間のスペースもつくって生きていかないとダメなんじゃないかと考えます。
犬年ということで、犬という生き物について少しお話しさせていただきます。犬のご先祖はオオカミだろうと、現在の科学では推測されているようです。私は個人的には、オオカミではなく、もともと野生の犬がいてそれを家畜化したのではないかと感じております。それは、先日東山動物園に行っても感じました。東山動物園では、皆様もご存知のようにオオカミを飼育しております。ガラス張りのオリの中で、オオカミはうろうろ・うろうろと歩き続けていました。オオカミ君は、立ち止まるということを知りません。ちょうどマグロが泳ぎ続けるのと同じです。
犬は、その反対です。じっと座っています。主人が建物に入った場合には、その建物から出てくるまで何時間も座って待ちます。それは、義務感からではなく、頭をなでてもらいたい一心からです。肺の形状も犬とオオカミでは違うようです。オオカミは長距離に渡って獲物を追いかけるため、肺の形状も犬のそれよりも大きくつくられているようです。
マンモスを食料としていた時代には、きっと犬は大活躍したと推測されます。マンモスという大きな動物をしとめるには、まともに人間が戦ったのでは勝てません。そのため大きな落とし穴みたいな穴を掘って、そこにマンモスを追い込んで落としたのではないでしょうか?マンモスを追いかける役目は、もちろん犬です。マンモスがちゃんと穴に落ちるようにその経路を木の柵で造っておいたのではないでしょうか?牛や馬もそうやって獲得していたのではないでしょうか?もしそうだとすると、石器時代の人間は、効率よく食料を獲得して余裕のある生活をしていたかもしれません。
稲作をして集団生活をするようになり安定して穀物を獲得できるようになって生活の安定を得た・・・と考える歴史学者は多いと思いますが、本当にそうかは疑問ですね。なぜなら集団生活をするということは、人が人を管理することの始まりだからです。当然、目標ノルマも発生します。そうやってノルマに追われて過酷な労働を強いられ、その労働から生まれる果実を享受できるのは一部の領主だけという時代が近代まで続きました。・・・いや、今もそれは続いているかもしれません。大企業が派遣社員を上手に利用している姿を見ると。となると私達は、豊かになった反面失ったものも多いのではないかと感じます。
私の母屋にも柴犬がおります。名前を竜馬(リョウマ)といいます。親が足が弱くなってきたので、散歩するために親には内緒で勝手に犬を買ってきたのです。そして、明日から一緒に散歩をしようと母屋に犬を放り込んだのです。その犬を見たいとある女性が言ったので、母屋にいるまだ幼い柴犬を見せてあげました。そのある女性は、現在私の妻となっております。もしかしたら犬によってご縁を結んでいただいたのかもしれません。
どうでもいい犬の話を私の勝手な思い込みで、だらだらとさせていただきました。皆様にとって犬とはどんな存在でしょうか?犬には不思議な力があると私は信じております。仕事に疲れたとき、思うように事が進まないとき、犬をなでると心の奥の方の疲れや淀みがサーと薄れていくように感じます。犬は、人間の悲しみや苦しみを吸収してくれる特別な力があるような気がします。また皆様の犬の思い出話をお聞かせいただければ嬉しいです。
あー、一つ、お伝えし忘れたことがあります。マイライフ・アズ・ア・ドッグという1985年のスウェーデン映画がございます。これは、私が学生時代に先生から勧められて見た映画です。どうってことない事件性のないドキドキしない犬の映画です。ですが、一生忘れられない映画です。理由は自分でもわかりません。物や金や地位に影響されないで、あんなふうに素朴に生きたいと子供の頃の憧憬を感じさせる映画です。

事務所通信 平成29年12月

つれづれ日記 12回目

今年ももう年末がちかくなり、あわただしい状態となりました。今年も舩橋会計はお客様にたいへんお世話になりました。ありがとうございました。日々の仕事の不手際からお客様へのサービスに不備があったり洩れがあったりしたこともあったと感じております。来年は事務所のサービスレベルを徐々にアップして、お客様を最大限サポートさせていただきたいと考えております。来年もお引き立てのほどよろしくお願いいたします。

来年も舩橋会計の経営理念と行動指針は変わりません。これら事務所の憲法を死守して、独自性のある税理士事務所を目指し、お客様の経営に貢献していきたいと考えております。

舩橋会計の経営理念  月光闇夜(げっこうあんや)
暗闇の中を歩く、経営者の足元を照らす月の光になりましょう。という理念です。月の光というのは、太陽と違って控えめに光ります。あまり主張しません。ですが、目を痛めずに月は見ることができます。優しい光です。就寝前に月を眺めれば、きっと良い夢を見ることが出来ます。

舩橋会計の行動指針
① 記帳代行をしない
② 巡回監査を行う
③ 継続MASの活用

① 記帳代行をしてしまうと、経営の情報や資料を会計事務所が囲い込んでしまうことになります。社長にとって重要な情報は、蚊帳(かや)の外になってしまいます。これでは、強い経営者になれるはずもありません。ですから、私達は会社ご自身に会計データを入力していただき、いつでも自宅や会社にいながら、新鮮な経営情報を確認できるようにしていただきます。これを自計化(じけいか)といいます。

② の巡回監査というのは、お客様の会社や事務所に訪問するということです。現場に行かなければわからないことも多いからです。巡回監査をすることにより、記帳適時性証明書や書面添付が行えます。これらをおこなうと、金融機関からの借入がしやすくなったり、税務調査の可能性が低くなります。これは、TKCシステムでしか行えません。

③ 継続MASの活用をとおして、事業計画を社長に作っていただきます。これは、基本的に毎年作成します。「思うところに道は開ける」というのが私の感覚です。もっとも大切なのは、人脈や財力や経験でなく、「思うこと」だと考えております。未来を思いえがいていないのに、理想の未来がやってくるはずがありません。今日カレーを食べた。それは、カレーを食べたいと思ったからです。未来の青写真を具体的に鮮明に思い浮かべることが出来たのなら、その夢はその時点で90%かなったと言ってもよいのではないでしょうか。後は、準備をして帆を張るだけです。帆を張ったなら、風を待つだけです。

こんな具合で、平成29年も私の独断でいろいろなことをお話しさせていただきました。もしも不快に感じるところがありましたら申し訳ございませんでした。そして、来年もこんな調子で私の独断でいろいろなことをお話ししてしまうことと存じます。それもこれも、ただお客様の経営が良くなっていただきたいと強く願うからでございます。
人間は、本当に強い気持を持つと、そこに何かしらの熱を持つものでございます。その熱を活字にすると、こんな文章になってしまうのであります。ですから、仕事の休憩時間やお暇をもてあましてしまったときに、事務所通信をサラっとお読みいただき、少しでも今後の経営のご参考にしていただけましたら本望でございます。
今年は、本当に皆様方にお世話になりました。ありがとうございました。


 

トヨタ堤工場見学

平成29年12月11日、トヨタの堤工場を見学してまいりました。今振り返って思うことは、「良いものを見せていただいたな」ということです。ピアノ演奏会やレベルの高い試合を見た後に、今日は良いものを見ることが出来た、と感じることがありますよね。そんな感覚です。工員さんの無駄のない動き、整然と並べられた棚、工場とは思えないような清潔な床、究極に効率を目指した無機質の集合体は芸術的な美しさをまとう・・・そういった良いものを見たという感覚が残りました。
さて、トヨタはなぜ世界№1の車両メーカーになれたのでしょうか?理由は複数あると思いますが、私が知る限りではそれは在庫管理にあると思います。たかが在庫管理で世界の№1になれないでしょ、と思われるかもしれません。しかし、メーカーにとって、無駄な物を造ってしまうということは、倒産に直結します。車という複雑で工程の長い製品は、あらかじめ作成しておかなければ、すぐに販売することが出来ません。あらかじめ作成するということは、売れ残り、つまり在庫が増えてしまうことになります。
トヨタは、注文を受けてから製品を作り始めるという方法を考え出しました。必要な時に、必要なものを、必要なだけ生産するというJUST IN TIME (ジャスト・イン・タイム)方式です。このジャストインタイムを可能にしているのが、トヨタの看板方式です。
私はこのジャストインタイムや看板方式に興味があるわけでは、ありません。私が興味を注いでしまうのは、トヨタが世界№1になり得た理由が、特許でも天才科学者でもなく、「在庫に着眼した」という事実です。アインシュタインのような天才科学者がいて、誰も作れないような車を造ったわけではありません。普通の社員が日常業務の中にある「在庫管理」に着眼し、この在庫管理から生ずる無駄を省けば会社が強くなると気づいたことです。その平凡な日常の気づきが世界的な会社へと導かせた。つまり革新的なイノベーションが日常のふとした気づきの中から生まれたということに、驚きと感動を禁じ得ないのです。
これは私達ファミリー企業にとって、とても勇気づけられることだと思うのです。私達ファミリー企業は、人的にも財務的にも制限があります。その中で特許を取得したりヒット商品を世に生み出していくことは大変なことです。しかし、日常のふとした気づきからアイデアを出して、日常の業務に少しづつ修正を加えていくことで、独自性のある会社になれるということをトヨタは教えてくれているような気がするのです。高い利益を出して従業員さんに豊かな生活をしていただくために、ものすごい発明をする必要はなく、ものすごい商品を生み出す必要もないのかもしれません(もちろんそれらはあった方が良いのですが)。

日常のふとした気づきは、時間が経過すると霧(きり)の中へと入ってしまいます。霧の中へ入ってしまう前に、それを言葉にして人に伝えて行動していく、そしてそれを積み上げていく、そういった単純作業の繰り返しでもイノベーション(革新)は起き、独自性をもった会社になるような気がします。ふと、「あれ、これおかしいな」とか、「ちょっと、へんだな」と思ったら、それはチャンスなのかもしれません。そのふと感じた小さなモヤモヤを信じてあげて欲しいなと思います。
この小さな気づきは、会話から生まれることもあると思います。会話をすると反対意見や自分とは違った角度からの考えを聞くことが出来るからです。自分と違う視点を聞くことによって、人は俯瞰的(ふかん的・全体をみること)になれます。俯瞰的になることによってクールになることが出来ると思います。いつもクールに未来を考えている経営者は、人を叱責したり、人を恐怖によってコントロールしようとはしないと思います。
そしてこの会話の相手として、ふさわしいのが従業員さんだったりお客さんだったり取引先だったり家族だったりします。でもこういった身近な人には、言えないこともあったりします。そうやって考えると、社長さんの周りに人はたくさんいるんだけど、社長ってとても孤独な存在といえるのではないでしょうか?自分のすぐちかくに人がいるのに、その人に助けて欲しいのに、その人に本音が言えないんですから。
そこまで社長の状況をみてくると、唯一、会話相手としてふさわしい人物が登場してきます。それは、会計事務所の人間です。会計事務所の人間というのは、守秘義務をもっており、仕事の利害関係がなく、その会社の数字の全てを知っているのですから。逆に、せっかく税理士報酬を支払っているのなら、税金の計算だけでなく経営の悩みも話して少しでも楽になれた方がお得ではありませんか。
私達には、社長のお話しをお聞きする準備がすでに出来ております。私達は、社長の小さな言葉に耳を傾ける意志がございます。私達は、社長に100のアドバイスをすることよりも、一つの良質な質問をする方が社長の幸福につながると考えております。もしも社長業としての孤独に押しつぶされそうになったときには、良き会話相手として会計事務所の人間を思い出してください。


リードタイムを意識して
別紙でトヨタのイノベーション(革新)は、在庫管理にあった、というお話しを致しました。
在庫管理という日常業務を改善することで、なぜ独自性が生まれ、大きな効果があるかを、もう少し詳しく説明致します。

物を販売するためには複数の工程を通過します。それを下記に言葉で箇条書きにします。
① まずは素材を購入します。
② その素材にプレス加工や溶接・塗装・部品取付などをして、製品にします。
③ その製品を倉庫に在庫として保管します。
④ 消費者からの注文が入ります。
⑤ 製品を販売してすぐにお金がもらえないので、それは売掛金(後でお金をもらう)になります。
⑥ 売掛金を回収して、現金を得ます。

この①から⑥までの工程には時間がかかります。この時間のことをリードタイムと言います(管理会計の世界で)。このリードタイムには、倉庫の保管日数や売掛金の回収日数も含まれます。リードタイムが短ければ短いほど、経営のリスクは減少します。反対にリードタイムが長ければ長いほど、損失が生まれます。トヨタのJUST IN TIMEは、このリードタイムを極力短くすることを目的にしております。

通常の決算書からは、利益しか見えません。利益には、リードタイムという時間の概念が存在しません。この利益を生み出すために、何人の人がどれだけの時間をかけたのかということは、決算書には出てこないのです。もう少し簡単にいうと、ラーメンを10杯販売するのに、30分で販売するよりも10分で販売する方が利益が出るということです。

また上記③の倉庫保管では、在庫の量が少ないほど倉庫の敷地面積も少なくて済みます。つまり地代が低額で済みます。そして在庫の量が少なければ、売れ残りつまり廃棄損が出にくいとなります。
通常の経営者ですと、在庫が多いと、「まだまだこれだけ売れるのか、楽しみだ」と考えます。しかし、卓越経営者は、「在庫が売れ残ったらどうしよう。これは大きなリスクだ。」と考えます。

⑤の売掛金がたくさん残っていますと、通常の経営者は、「これからこんなにたくさんのお金が入ってくるんだ。よかった。」と考えます。しかし、卓越経営者は、「これだけたくさんの売掛金があるということは、それだけ回収不能になる可能性が高いということだ。どうしようか。」と考えます。

上記①から⑥までのリードタイムを短くして、リスクや無駄をどんどん省いていく、そういった時間を意識した経営をすると、その会社は強い会社となっていきます。
決算書や試算表からは、そのリードタイムは出てきません。リードタイムを正確に知るには、現場で計測する必要があります。
ときには、右手にストップウォッチをもって、その工程に何分かかるのかを計測する必要もあるでしょう。単に利益が出ればいいということではありません。利益の質が問題です。利益というのは、あまり時間をかけないで出す必要があります。

手際の良い大工さんほど、丁寧に良い家を造るといいます。スピードの獲得は、品質の犠牲にはつながりません。

右手にストップウォッチ・・・・であるなら、左手にはコーヒーカップを持ちませんか。そして、私達と会社の未来についてお話ししませんか?

事務所通信 平成29年11月

つれづれ日記 11回目  真夜中のゴルフ

よるの10時10分くらいを過ぎると、私(舩橋)はゴルフ練習場へ向かいます。この季節は、ゴルフのお誘いを受けることが間々あるからです。実際、私のゴルフのレベルは、ひどいものです。クラブを振っても振っても、なかなかボールの芯にあたりません。
社交は、ゴルフだけではありません。異業種交流会なども行ったりします。事務所で書類だけを作っていればいいのですが、仕事の御縁が生まれるといいな・・・という思いもあってそういう社交の場へ行くわけです。
しかし、私は際限なく売上を増やしたいわけではありません。もう自分も46歳で、そんなに若いという歳でもないだろうと考えます。今から集中して仕事が出来るのは15年から20年かな。そしていつかは死んでしまいます。
いつか死んでしまうのに、今忙しいというのに、どうしてまた更に自ら忙しくしているのだろう・・・と周りからは思われるかもしれません。なぜ舩橋会計のお客様を広げたいかというと、経営は哲学だということを地域に広めたいからです。何を生意気なことを言っているんだ、とお叱りを受けるかもしれませんが、自然とそういう思いが込み上げてしまうので仕方がありません。困ったものです。
私は、今までそれなにりに経営者の方を見てまいりました。24歳から会計の仕事をしておりますので。その中で、破産していく経営者、資金に悩む経営者、従業員に悩む経営者をたくさん見てまいりました。どうにかして、そういう暗闇の中をさまよい歩く経営者のお力になれないものかと考えて参りました。
そして私の出した結論は、経営には哲学が必要だということです。経営理念と言ってもいいかもしれませんし、宗教的信条と言ってもよいのかもしれません。苦しい状況になりますと、どうしても損得の基準で判断してしまうのですが、その苦しい状況から抜け出すためには損得を超えた価値観が必要になると考えます。
経済学者のポーターの言葉が好きです。彼は、「競争をした時点で負けだ」といいます。「競争をしなくてもいいところに行くことが勝つことだ」と言います。つまりオンリーワンのサービスや技術を提供することですね。そのオンリーワンは、社長の経営哲学と世の中の欠乏が衝突したときに、生まれると思います。言い換えると、社長の特技があって、世の中にその特技がまだ存在していない場合、社長の心の中に大きなフラストレーションが生まれます。そのエネルギーを開発(イノベーション)に向けたときにオンリーワンになるということです。
繰り返しやルーティンから抜け出さない限りは、経営不振を時代や政治のせいにするしかありません。社長は、世の中に何か不満はありませんか?世の中に何か足りないと感じることはありませんか?世の中の不条理を何か感じませんか?そして、もしもそこに社長の特技を提供したら世の中がもっと良くなると感じることはありませんか?長期的に利益を出し続ける経営者は、世の中がよくなることに興味があるように感じます。


平成30年から源泉徴収税額表の見方が変わります。

来年から源泉徴収税額表の見方が変わります。扶養親族等の数え方が変わるのです。今までは、給与のみの場合の給与収入が年間103万円以下の配偶者を控除対象配偶者と呼び扶養親族数1とカウントしておりました。
この給与収入が年間150万円以下に変わりました。例えば、今まで配偶者の方の給与収入が年間140万円ですと、源泉徴収税額表を見るときに扶養親族にカウントしませんでした。でもこれからは、扶養親族の数にカウントしてもよくなります。
ただしご本人(配偶者の相手)の年間合計所得が900万円を超えますと、例え配偶者の年間給与収入が140万円でも、扶養親族の数にカウントできません。なんだか複雑ですね。
まとめます。とりあえず本人の年間合計所得が900万円以下で、その本人と一緒に生活をする者(青色事業専従者を除く)の年間給与収入(給与のみという前提)が150万円以下であるならば → 源泉徴収税額の計算の際に、その配偶者を扶養親族プラス1としてカウントしてください。ただし、その配偶者が老人控除対象配偶者や障害者である場合には、別のカウント方法になります。

マイナンバーにご注意ください。
マイナンバーの管理責任者は、社長様となります。もしも会社からマイナンバーが漏れて事件が発生すると、社長様の管理責任が問われてしまいます。社長様が管理すべきマイナンバーは、従業員のものだけではありません。従業員のご家族のマイナンバーも管理しなければなりません。さらに専門家や地代家賃の支払先のマイナンバーも管理することになります。マイナンバーを紙ベースで保管している場合には、必ず鍵付きの棚や金庫に保管してください。そうしないと、万が一マイナンバーが漏れた場合に、経営者責任が問われてしまうからです。
舩橋会計へ送っていただく書類には、マイナンバーを記入しないようにお願いします。昨年にマイナンバーはお聞きしておりますので。もしも新入社員などの新しいマイナンバーが発生した場合には、書類にかかずお電話でおしえていただきますよう、お願いします。すぐにTKCのクラウドに保管して、メモはシュレッダーをかけます。
マイナンバーの管理が大変という方は、TKCのPXまいポータルというサービスをご利用ください。給与明細書もウェブで配付
できます。
PXまいポータルは、PX(給与計算ソフト)をご使用いただいているお客様がご利用できます。
PXまいポータル単体では、ご利用になれません。

◆ 給与計算ソフト PX : 月額3,000円(税抜)利用料

◆ マイナンバー管理・給与明細配付ソフト PXまいポータル
月額1,000円(税抜)利用料

事務効率化を箇条書き
●マイナンバーの管理をTKCに任せることができる。
●従業員の給与明細をウェブで配付できる。過去3年分の給与明細が閲覧可能。
●複雑な給与の仕訳を自動作成し、会計ソフトに自動転写してくれる。
●毎年の社会保険料変更や扶養親族カウントを自動でバージョンアップ。
●残業代を自動計算してくれる。
●有給の残数管理をしてくれる。
●タイムレコーダーのデータ(勤怠時間)を取り込むことが出来る。

事務の効率化は、ソフト料金以上に人件費を減少させます。また経理担当者がより付加価値の高い仕事へと、エネルギーを向けることが可能となります。


個人事業者のお客様へ

平成29年分の所得税確定申告の資料を舩橋会計まで郵送していただきますよう、お願いいたします。

平成29年11月末までの下記の資料を送ってください。12月分は、来年いただきます。(アパート経営などの方はお年も召しておられるので記帳代行をさせていただいております。原則的には舩橋会計は、記帳代行をしないことを行動指針としております。)

●通帳コピー
●現金支払いの領収書
●クレジットカードの明細書
●直近の賃金台帳(冬の賞与があるか・ないかをご記入ください。)
※併せて年末調整の資料も郵送していただきますと、助かります。
裏へ続きます。
会計資料には、以下の情報をメモしてください。
●飲食関係の領収書:①どの会社の②誰と③何人で④どのお店に 行ったのかがわかるように、ボールペンでメモ書きをしておいて下さい。
●ホームセンターやスーパーの領収書には、何を購入したのかがわかるようにメモ書きをしておいて下さい。
●従業員に昼食をごちそうした場合は、経費になりません。また社長の私服(スーツ・靴下・眼鏡)も経費になりません。
●通帳コピーの入力には時間がかかります。弊所スタッフの目が疲労しないためにも、拡大コピー(A4で倍率130%が最適)をしておいていただきますと、助かります。通帳をお持ちいただければ、弊所でコピーさせていただきます。
●領収書は貼られていない状態で入力した方が速いのでのり付けしないで下さい。また領収書は、月ごとに分けてクリップなどで留めていただけると助かります。
※いろいろとお願いばかりで申し訳ございませんが、スタッフが疲弊しないで、お客様に付加価値のあるサービスをお届けしたいと考えておりますので、ご協力よろしくお願いします。

事務所通信 平成29年10月

TKC自計化


写真は、お客様である(株)圀榮さまの経理担当者の方(以下Aさん)です。月次巡回監査でAさんとお話しさせていただくと、始終笑ってばかりです。ふざけているわけではありません。Aさんは、経理が好きなのです。でも初めから経理がお好きだったわけではありません。むしろ苦手でした。Aさんを拝見させていただきますと、「仕事というのは、そのレベルが向上するとそれを楽しむようになる」ということがよくわかります。以下Aさんに質問させていただきました。

舩橋:経理を始める前は、経理に対してどんな印象をお持ちでしたか?
Aさん:経理は難しくて、私に出来るのかな?と思っていました。でもやり始めたら面白いなと感じました。今では入力には自信が持てます。
舩橋:昨年から会計ソフトをTKCに替えていただきました。感想は?
Aさん:発生主義にすることが大変だと感じます。仕訳辞書をつくることは楽しいです。コレクションを増やすように、仕訳辞書を増やしています。
舩橋:経理のお仕事には、だいたい平均して一日何分くらいかけるのですか?
Aさん:経理業務はだいたい平均すると一日15分くらいやっています。今は、TKCソフトを完璧に使いこなすことを目標にしています。
舩橋:この記事をお読みいただいている方の中には、経理に苦手意識があったり、経理をすること自体をストレスに感じている方もいらっしゃると思います。そんな方へ、何かメッセージをいただけませんか?
Aさん:経理は誰にでも出来ると思います。頑張ってください。経理処理をためないで早めに処理することにより、「お金の流れ」が把握できるようになりました。自分で早めに入力するとメリットがあります。

解説 快くインタビューにお答えいただいたAさんに感謝申し上げます。実は、Aさんは、かなりのスポーツマンです。高校にはソフトボールの特待生で入学されたほどです。私はスポーツを頑張っていた人が好きです。スポーツマンは、根性があるからです。そして上達するプロセスをよく知っているからです。

もうAさんは覚えておられないかもしれませんが、ある日Aさんは独り言のように次のようなことを言われました。「これからはTKCになるから、税務署を恐れないで安心してやっていけるんじゃないかな」と。私は、この言葉が大変うれしく、有難く感じました。そして、出来る限りTKCスタイルでサポートして圀榮さんのお力になれるよう努力しなければならないと感じました。
TKCは、税務署に対して強いスタイルということが言えます。理由は、下記の書類を添付することが出来るからです。
① 税理士法 第33条の2 の書類
これを提出すると、税務署はすぐに税務調査へ進むことが出来なくなります。
② 記帳適時性証明書の発行
これは毎月遅れずに会計処理をしている証拠です。税務署だけでなく金融機関に対してもアピール出来ます。
③ 継続MASの活用
資金繰り活用ソフトです。無理な節税をする必要があるかどうか判断できます。


皆様は少年時代には、どんなスポーツをされておりましたでしょうか?サッカークラブや少年野球チームあるいはスイミングクラブなど入っておられた方も多いと思います。私は、小さな頃にはスイミングクラブに入っておりまして、練習中によく平手でほおをたたかれました。誰かが「舩橋君が練習の邪魔をする」と先生に嘘をついたりしました。すると先生は、確認もせずに理由も言わずにいきなり私のほおをたたきました。・・・そんな理不尽な少年時代の経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。つまり先生からの暴力は、指導方法として公に認められていた時代があったのです。
そうやって育ってきた年代が、今は会社では上司や経営者という立場になりました。そのため部下に対する指導方法も大変厳し方法を採られる方も未だに多いと感じます。

かつて心理学者のジグムント・フロイトと話す機会があった人が、つぎのように説明しております。
「フロイトのことは生涯忘れられない。彼には、わたしがこれまでに会っただれにもない資質が見うけられた。彼の目はおだやかでやさしかった。精神分析のときの『魂を見通す眼』などまったく感じさせない。声は低く、あたたかで、身ぶりはほとんどない。私のことばに注意を集中し、へたないい回しにも耳をかたむけ、それなりの評価を与えてくれた。このような聞き方をしてもらえたことが、わたしにとってどんなにすばらしい経験だったかご想像にまかせる」。

上記のことばからもわかるように、人を非難する努力を、人を理解する努力にかえると、その人はたいへん満足し、こちらのことを生涯覚えていてくれるということになるようです。そういえば中日ドラゴンズの元監督である落合博満さんは、名選手であるとともに名コーチでもありました。監督時代に4度のリーグ優勝と1度の日本一を達成しました。その落合監督の指導方法は大変面白いです。ただ見ているだけらしいのです。

落合監督自身は3度の三冠王を達成したくらいですから、バッティングの技術やコツというのは、誰よりも知っているはずです。そして誰よりも適切な助言ができるはずです。その人が、「ただ見ているだけ」なのです。もしかしたら、「技術は自分で見つけるしかない。誰かの成功法則は別の誰かにも当てはまるわけではない。」といった考えがあったのかもしれません。

今、私は子供に教材を使って「ひらがな」を教えています。先生は、「子供の自主性が大事ですから一人で勉強させてください」、と言われます。でも私は、子供の横で初めから終わりまでじっと見ています。ただじっと見ているだけです。なぜだかわかりませんが、そうすることが非常に重要だと感じるからです。今のところ子供は勉強することが楽しいようです。

仕事では従業員さん全員の仕事ぶりを横でじっと見ているわけにはいきません。私自身もやるべきことがたくさんあるからです。でも、なるべく細切れの時間や休憩時間を使って、従業員さんの仕事を見る時間をつくりたいと思います。

事務所通信 平成29年9月


答え 岐阜デパートの方が、よく売れました。その理由は、ワインの数が少なかったからです。
多くの方が、「えー、そんなはずないだろう!品数が多い方がよく売れるに決まっているだろう」、と思ったのではないでしょか?
これは、コロンビア大学のシーナ・アイエンガーという大学教授が、実際に実験を何度もして出した結論です。アイエンガーは、行動認知学的立場からその実験結果の理由を説明しています。すごく簡単に申しますと、人間は選択することを嫌うらしいのです。何かを選択するということは、すごく頭を使っているらしいですよ。
根本的に人間って楽をしたい動物です。頭もあまり使いたくないのです。頭を使わないで、ボーツとしている方が楽ですよね。3時の休憩タイムに数学の文章問題を解いて、「あー、休憩時間はやっぱり数学だね。数学をすると疲れがとれるね」、なんていう人は、いないはずです。そして頭を使う場合、「何かを選択する」というのは、たいへん頭のエネルギーを使っているらしいのです。
例えば、赤ちゃんの頭脳トレーニングは、「何かを選択させるといい」と言われます。「どっちが好きかな?」とか「どっちの色が赤色かな?」とか「今日は、ごはんとパンのどちらが食べたいのかな?」とか「昨日歩いた道は、右の道かな、左の道かな?」なんていう、選択問題をたくさん与えると、脳がより発達するらしいのです。
結論を申しますと、「お客様に、選択するという労力を使わせない」方が商品が売れるということです。売り出す側は、品ぞろえを豊富にして、その道のプロにも満足してもらえるようにしたいと考えます。でも本当にそれをやってしまったら、それはただのマニア専門店になってしまいます。一般の人は、少し種類があれば十分で、あまり商品数が多いと疲れてしまうのです。
新しい店舗や新しい商品販売を開始すると言いながら、なかなか開始しない経営者の方がいらっしゃいます。なぜすぐに始めないのですかと質問させていただくと、「まだまだ商品知識が十分じゃないから」とか「マニアが満足できる商品数を輸入出来ないから」などとおっしゃいます。でも一般消費者は、良いものが分かりやすく少量並べられている方が、買う気になるのです。
会社として利益を出すためには、あえて商品数をおさえて、一般消費者が選択に疲れないようにしなければなりません。もう少し言い方を変えると、広く浅い知識よりも、狭く深い知識の方が強い武器になるということです。「世界中のワインが置いてありますよ。どのワインの説明もある程度は出来ますよ。」というお店よりも「うちのお店にはワインは5種類しかありません。しかし、ワインの製造者のことは熟知しているし、料理へのアレンジ方法も説明できるし、最もおいしい飲み方も解説できるよ。あなたが居酒屋の店主ならワインと相性のいい食事メニューもご提案しますよ。」という方が一般消費者は、嬉しいのです。
もしも現在、商品数が多すぎる状態になってしまっているなら、それをグループ別に分ける必要があります。パンフレットやホームページなども、まずはグループ別のページやボタンを配置して、入口を簡単にしておきます。そして、お客様がなるべく選択しやすいように誘導してあげなくてはなりません。
思い起こしてください。カップ麺でも「赤いきつね」か「緑のたぬき」ですよ。CMでは、2種類の選択しかさせていません。アシックスのバスケットシューズでもベーシックな人気シリーズは、3種類しかありません。森永牛乳もスーパーによく置かれるものは、2種類だけです。三菱鉛筆が出している水性ボールペンは、3種類だけです。積水ハウスの2階建て鉄骨住宅シリーズは、6つしかありません。これらは、戦略的に商品数を少なく抑えていると考えられます。
ましてや我々は、大資本を有している大規模企業ではありません。限られた資本で勝負しなければなりません。我々が勝つためには、対象エリア、対象商品、対象顧客などを狭く絞る必要があります。絞ることが出来れば、大規模企業にも勝てる可能性が十分にあります。
多くのメニュー・多くの商品・多くのサービスを用意するためには、5年あるいは10年かかるかもしれません。その割には、高い効果は期待できないかもしれません。いつも答えは、足元にあるのかもしれません。現在ある商品やサービスの質を高めてブランディングすることが出来れば、新商品や新メニューは必要ないかもしれません。そして、今あるサービスをブランディングするのは、それほど多くのお金もエネルギーも必要としないかもしれません。

余談ですが、シーナ・アイエンガーという大学教授は、若い女性で盲目です。ユーチューブでも見られるので、一度彼女の声を聞いていただきたいと思います。
私達は目が見えるのでラベルが気になります。バッグならビトンのラベルが付いていれば安心します。車ならTOYOTAのラベルが付いていれば安心します。服ならブルックスブラザーズのラベルが付いていれば安心します。でもそのラベルを取られたら、私達は何が本物か見分けることが出来るでしょうか?正しい選択をすることが出来るでしょうか?これもアイエンガーは実験しております。服のラベルを取ると、多くの方はブランドでない服をブランドと思い込んで選択するそうです。もしかしたら、目の見えないアイエンガーの方が、手や耳の感覚が優れていて本物の選択をできるのかもしれません。
アイエンガーは、まだ現在も生きている学者で、早口で話す元気のある女性です。


つれづれ日記 10回目
早いもので、私の息子(3人のうちの長男)も来年は小学生です。あっという間に背も伸びて少年らしいことも言うようになりました。親としていろいろと身に付けさせてあげたいと思うのですが、お金も時間も限りがありますので、何を与えればよいのかと迷うところです。
そこでやはり私は、「経営理念」ならぬ「教育理念」というものを考えるわけです。いったいどんな子にしたいのか。なぜ教育というものが存在するのか。といった事柄です。これは正解がありませんし、人の価値観によって違いますので、私なりの考えを簡単に述べたいと思います。
私は、学校の成績は悪くても良いと考えています。学校の成績が良くなければならない、と考えてしまうと、生きていくのが辛いだろうと思うからです。
学校の成績よりも、「非常事態におちいったときに、そこから脱出する方法を見つけられる人」になって欲しいなと思います。人生の中で、「もう死にたい」「このままだと犯罪を犯してしまう」といった非常事態は、誰にでも訪れるはずです。そこで自暴自棄にならないで、サイコロを投げて決断するのでなく、自分の頭で冷静に考えて活路を見いだせる人になってもらいたいと、親として願うわけです。
ですので、なんでもいいので、「学校では経験できない事」、をやらせてあげたいと思います。私のような偏屈な人間は、学校の先生からすると、面倒な親だと思います。
仕事の関係や経営者の集いで、大きな会社の経営者とお話しさせていただくこともあります。そこで、感じることがあります。それは、事業を成功させるために、特別に優秀な頭脳は必要ないのではないかということです。もちろん頭脳明晰な方が、失敗する可能性は減少すると思うのですが、それだけではなかなか永続的に発展は難しいのではないかと思うのです。
安定して発展されている経営者の方は、セルフコントロールが出来る方なのではないかと感じます。セルフコントロールというのは、頭脳明晰とは意味合いが違います。簡単に言うと、我慢する力です。買いたいものがあっても買わない。テレビを見たくても本を読む。怒りたくても我慢する。水曜日は水泳をすると決めたら、必ず水泳をする。約束をしたら、その後面倒になっても約束を実行する。健康診断でお酒を止めなさいと言われたら、
止める。などなど。
事業の成否に大きく関係するのは、学歴よりもセルフコントロールの力のように感じます。
またセルフコントロールできる量は、決まっているらしいです。コップの水をイメージしてください。コップの水も飲み干せばなくなります。それと同じように、一日の中でセルフコントロールできる量にも限度があります。
だから会社ではすごく生真面目で神経を使っている人が、自宅に帰ると掃除も出来ないで部屋が片付けられない人がいます。これは、本人が悪いのではありません。仕事の時間に、セルフコントロールを使いすぎているので、自宅に帰ってきたら、それが残っていないだけなのです。
ただし、このセルフコントロールする力がなくなっても、さらに頑張る方法があります。それは遠くの利益を推測するということです。例えば、寝るまえにラーメンを食べたい。でもこのラーメンを食べることを我慢すれば、明日の朝はスッキリと目覚めることが出来る。というように、それを我慢すれば、未来にどれだけ良いことが起きるか推測すれば、セルフコントロールする力を使い果たしても、まだまだ頑張れるそうです。
スタンフォード大学の心理学者ウォルター・ミシェルが1960年代にマシュマロ実験という有名な実験をしました。どのような人間が大人になってから経済的に裕福になるかを長期間のモニタリングにより調査したのです。その結果、幼児の頃にセルフコントロールをする力が強かった者が、大人になってから裕福になっているという結論が出ました。ただし、幼児の頃にセルフコントロールする力がなくても、その後の学校生活やスポーツなどを通して、それを身に付けて成功している者もいるということまでわかりました。
事業の成功は、頭脳でも財力でもなく、セルフコントロールする力だと言うわけです。この説を信じる必要はないと思いますが、参考にはなるはずです。
さて、そういう私は、セルフコントロールする力が十分にあるのか?と自問自答しますと・・・あまりないように感じます。ですので、あまり子供には厳しいことは言えないのです。それよりもとりあえず健康で事故なく成長できれば、それで幸せじゃないかと思ってしまうのです。
幼稚園で我慢して先生の言うことを聞いたり、友達に気を使っているので、せめて家に帰ってきたら、我がままを言ったり、だらしなくしたりしたいだろうと思ってしまうのです。そういえば従業員にも厳しいことは、私は言いませんね。自分が一番バカだと本当に思っているからです。

事務所通信 平成29年8月

つれづれ日記

お盆も過ぎ、虫の音も闇夜に響く夏の終わりという季節に入りました。残暑厳しい中いかがお過ごしでしょうか? お盆は、あの世からご先祖様がこの世に帰ってこられる、特別な期間だといわれます。真っ暗な中で、ロウソクを付けて祈りをささげていると、死んだおばあちゃんが笑っているような気がします。またおじいちゃんは、私が生まれる前に死んでしまったのですが、そのおじいちゃんもそばに来ているような気がします。
死者の気配を感じると、私は心がたいへん落ち着きます。そして、なんだかいろいろな人に対して感謝の念がわいてきます。また心が解放されて、疲れがとれていくような気もします。この感覚は、読書をしているときの感覚に似ていると思います。
読書も死者とつながる行為ですね。夏目漱石を読んで
いると、となりに漱石が座っていて、「舩橋くん。それではダメだよ」と、助言をしてもらっているような気になります。
うまく経営をされている社長さんは、何かしらの行為で闇や死者とつながっているケースが多いと思います。またお墓参りが嫌いという人でも、長時間の散歩や就寝前に天井を見つめるなど、本人は意図しないで瞑想行為を行っている場合も多いと思います。
商売が成功するという保証は、どこにもありません。すごく頭のいい人が、すごい戦略を立てても成功するかどうかわかりません。すごく財産があってすごく人脈のある人が成功するか、というとそうでもありません。どこか運が強くて、お目出たい人、なんとなく波にのっているような人が成功したりします。もうこれは、理屈ではありません。
もう少ししたら、お彼岸が来ます。秋分の日、の前後3日間くらいですね。秋分の日は、昼と夜の長さが同じになります。太陽が真東から上がって、真西に沈みます。こういった自然の営みは、私達人間ではどうすることもできません。しょせん、私達人間の力などしれている、と感じます。自分の力では、どうにもならない、地球のオキテ。そんな秋分の日に、死者の気配を感じれば、心も落ち着くような気がします。

社長力をアップする方法
みなさまは、金融機関の人をどのように捉えていらっしゃいますか?信用金庫や銀行や農協は、お金を預けてお金を借りる所、と認識されておられると思います。もちろんその通りです。しかし、それだけでは、足りないと思います。
金融機関の方は、私達が思っている以上に多くの経営のヒントをお持ちです。多くの会社を見てきておられるので、どのような会社が倒産しやすいか、どのような経営をすると伸びていくか、ということを経験値としてもっておられます。
また同地域の同業種の会社は、どのような経営をしていて、どのような強味をもっているのか、という情報もお持ちです。つまり金融機関の方は、こちらが教えを乞えば、よい教師となってくれるのです。ですから、金融機関の方が会社に訪問されたら、お茶の一杯も出して、いろいろと聞いてみると良いです。多くの情報をいただけます。
さらに、可能なら金融機関の方を相手に、会社のプレゼンテーションをして下さい。短い時間で自社をアピールする練習になりますし、失敗をしても何もマイナスがありません。また自社の財務的な説明も金融機関の方にしてみてください。今後大きな取引が発生したら、社長自らの言葉で財務説明をしなければいけない日が来るかもしれません。
一番まずいのは、金融機関の方に経営状況を聞かれたときに、「よくわかんないから、資料は全部税理士にあずけてあるから、税理士に電話して聞いといてよ」という対応です。金融機関の方は、「わかりました。税理士に聞いておきます」と笑顔で応えることでしょう。でも心の中では、「自分の会社の状況も説明できないのか、この人にお金を貸すのは怖いな」と思うはずです。もちろん自計化していないと、自分の言葉で会社の経営状況を説明できません(自計化とは、自社で会計データを入力すること)。
金融機関の方は、頭を下げて「お金を借りてください」と言われるかもしれません。しかし、あなどってはいけません。金融機関の方は、私達が欲しいと思っている情報やノウハウをお持ちです。もしかしたら、後継者が見つからないときは、マッチングの手助けをしてくれるかもしれません。
質問例
●この地域の製造業は、最近忙しそうにしていますか?
●金融機関の方は、決算書のどこを見ているんですか?
●私の会社は、今どれくらいお金が借りれるんでしょうか?
●金融機関の方から見た、私の会社の格付けは、どれくらいですか?
●新商品を共同開発してくれる会社をさがしているんだけど、聞いてもらえる?
●うちの会社には借入の担保がないけど、借入は出来ますか?
●事業計画書を作ったんですけど、見てもらえますか?
●決算書の報告を簡単にしたいけど、聞いてもらえますか?
●試算表で近況の経営状況を説明したいから、聞いてもらえますか?
●うちの会社は、従業員の年齢層が高いけど、この地域の他の会社も同じように年齢層が高いかな?どう思われますか?
※こんな感じで金融機関の方に質問してみてください。社長力アップのために。

相続のポイント
相続税というのは、税務調査の可能性が高い分野になります。では、その税務調査の可能性を低くする方法は、ないのでしょうか?
例えば、税務署出身の税理士さんや金融機関紹介の税理士さんに依頼すれば、税務調査の可能性は低くなるのでしょうか?答えは、NO.

相続の税務調査の可能性を低くする方法は、「33条の2の書面添付」をすることです。これは、税理士の保証書みたいなものです。この33条の2の書面添付に税理士が嘘を書くと、税理士資格がはく奪されます。ですから、税理士の資格をかけた保証書を添付することが、税務調査の可能性を低くする最大のポイントです。
相続の税務調査で一番税務署が見てくるのは、通帳です。相続開始前の3年間で贈与があれば、それは相続財産に含まれますから、税務署としては追加税金がとりやすいのです。税務署員も自分の成績を上げたいわけです。

通帳の引出しに50万円とか100万円などの引出しが頻繁にあると、亡くなった人が生前に誰かに贈与をしていたと疑われます。それをメモを書くことによって、贈与ではありませんよと主張します。ただメモだけでは弱いので、そこに領収書をつけます。
生前に通院や旅行や買い物で多額のお金を使っていたなら、その領収書を見せることによって、贈与ではありませんと主張します。つまり領収書の有無が重要なのです。

対策としては、相続がちかいと感じ始めたら、とにかく全ての領収書を保存しておくことです。まとめます。
① 33条の2の書面添付を行えば、税務調査の可能性はかなり下がる。
② この書面は、税理士の首がかかっている。嘘は言えない。
③ 相続開始前3年間の通帳コピーに、支出の内訳をメモする。
④ メモだけでは弱いので、領収書を添付する。
⑤ だから、税務署に対抗するためには、領収書は絶対条件となる。
⑥ ○○税理士だから見逃してもらえる。という人脈が通用するほど、税務署は甘くない。

おじいちゃん、や、おばあちゃん、の領収書をいちいち保存する人は、この世の中に1%もいらっしゃらないと思います。でもそれが大切なんです。ちょっと手間ですが、相続が発生したときは、ものすごく助かるんですよ。あなた様ご自身を守ることになります。

※財産の額からみて、相続が発生しない方は、領収書の保存は必要ありません。