相続した土地は、売却か賃貸か。資産運用。

【相続した土地】売却か賃貸か?資産運用の判断ポイントを税理士が解説

親や親族から相続した土地について、活用方法に迷う方は多いのではないでしょうか。
「売って現金化するか、貸して家賃収入を得るか」
どちらが有利かは、立地・相続税・将来の家族構成など複数の視点から検討する必要があります。

この記事では、相続した土地を売る場合と貸す場合のメリット・デメリット、税務上の注意点について、税理士の視点からわかりやすく解説します。


目次

相続した土地を「売る」場合の特徴

● メリット

まとまった現金が手に入る
相続税の納税や他の相続人への代償金の支払い、生活資金の確保に充てることができます。

固定資産税・管理負担から解放される
空き地は維持管理費や雑草対策などの負担が大きく、将来的なトラブルも防げます。

不動産市況が良いタイミングなら高値売却も期待


● デメリット

⚠️ 譲渡所得税がかかる可能性
売却益には譲渡所得税(所得税+住民税+復興特別所得税)が課税されます。
ただし、相続で取得した土地は被相続人の取得日・取得価額を引き継ぐため、取得が古い場合は課税額が大きくなることがあります。

⚠️ 売却まで時間がかかる場合がある
立地や権利関係によっては買い手が見つかりにくいことも。


相続した土地を「貸す」場合の特徴

● メリット

継続的な収益が得られる
月々の賃料収入は安定した不労所得になります。

土地の評価減が期待できる
賃貸中の土地は相続税評価額が下がる場合があります(貸家建付地評価)。

将来の利用を保留できる
家族の事情が変わった際に売却に切り替えることも可能です。


● デメリット

⚠️ 管理・運営の負担
賃借人対応や建物維持管理が発生します。不動産管理会社への委託も必要になる場合があります。

⚠️ 空室・滞納リスク
安定収入を見込んでいても、実際には空室や賃料滞納で収益が不安定になることがあります。

⚠️ 土地活用の初期投資が必要なケースも
例えばアパートを建てて貸す場合は多額の建築費がかかります。


税務上のポイント

● 譲渡所得税

土地を売却した場合、以下の計算で譲渡所得が算出されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費+譲渡費用)

取得費は、被相続人が取得したときの価格を引き継ぎます(「引継ぎ課税」)。
相続から3年以内の売却であれば、相続税の取得費加算(相続税を取得費に加算できる特例)も検討しましょう。


● 不動産所得の申告

貸した場合は、収益は「不動産所得」として所得税・住民税の課税対象になります。経費計上できる項目(固定資産税、減価償却費、管理費など)をきちんと整理しましょう。


判断のポイント

相続した土地を売るか貸すかは、次の観点で総合的に判断することが重要です。

立地条件と需要
賃貸需要が乏しい土地では売却が現実的。

納税・資金の必要性
相続税や他の債務の支払いを優先する場合は売却が有利。

ご家族の意向・将来設計
将来的に自宅や事業用に利用予定があるなら貸すことで保有も可能。

税負担
譲渡所得税、固定資産税、不動産所得課税を試算する。


まとめ

相続で承継した土地を「売るか貸すか」の判断は、税金・収益性・将来の家族計画・地域性を踏まえた総合判断が必要です。
専門家のシミュレーションを活用し、最適な資産活用を検討しましょう。

相続税や譲渡所得税、資産運用に関するご相談は、お気軽に当事務所までご相談ください。


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この記事を書いた人

舩橋信治
昭和46年生まれ
保有資格 税理士、宅建士、行政書士、保険代理店
24歳から会計税務の仕事にたずさわっております。
まだまだわからないことが多いです。
初心貫徹、日々精進してまいります。

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