事務所通信

事業再構築補助金 3回目 公募開始

令和3年8月12日
税理士 舩橋信治

事業再構築補助金 3回目の公募開始 について

事業再構築補助金の第3回目の公募が開始されております。受付開始は8月下旬となっております。
下記URLで詳細をご確認ください。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/
( Ctrlキーを押しながらマウスを近づけて左クリックすると遷移します )

補助対象経費
 建物建築:自社工場建築や自社事務所建築です。こういった建築物が補助金の対象になることは、かなり珍しいことなんです。だから建築を考えていた経営者の方にはチャンスですよ。ただし不動産購入は、対象になりません。
 機械装置・システム構築
 技術導入費
 専門家経費
 運搬費
 クラウドサービス利用費
 外注費
 知的財産権等関連経費
 広告宣伝・販売促進費
 研修費

補助金の対象にならないもの ×
 家賃・保証金・敷金・仲介手数料・水道光熱費
 フランチャイズ加盟料
 販売する商品の原材料費
 不動産の購入費
 車両の購入費
 事業計画書の書類作成費
 自社の人件費

補助金額(通常枠)
【従業員数20人以下】100万円~4,000万円
【従業員数21~50人】100万円~6,000万円
【従業員数51人以上】100万円~8,000万円

補 助 率
[通常枠]
 中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)
 中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)

補助要件
補助対象要件 下記①、②の両方を満たすこと。
① 2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少しており、2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること等。
② 経 済 産 業 省 が 示 す  事 業 再 構 築 指 針 に沿った3~5年の事業計画書を認定経営革新等支援機関等と共同で策定すること。

今回の補助金申請要件では、売上高に代えて付加価値額を使うことが出来ます。

付加価値額とは
ア.付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいいます。
イ.成果目標の比較基準となる付加価値額は、補助事業終了月の属する(申請者における)決
算年度の付加価値額とします。

相談電話
この補助金要件に該当するかどうかの判定は、舩橋会計では行っておりません。判定計算が複雑であるため、全お客様を調査することは時間的に不可能だからです。
そのため補助金要件の判定で疑問点が発生した場合には、下記のサポート電話にお電話していただきますよう、お願い致します。

制度全般に関するお電話でのお問い合わせ
コールセンター<ナビダイヤル>0570-012-088< IP電話用 >03-4216-4080
受付時間 9:00~18:00 (日・祝日は除く)

電子申請の捜査方法に関するサポートセンター< IP電話用 >03-4216-4080
受付時間 9:00~18:00 (土・日・祝日は除く)

舩橋会計から

今回の事業再構築補助金は、要件判定において売上高減少割合で、10%でなく5%を使える期間があります。またその売上高減少金額に代えて付加価値額というわけのわからない数値も使えます。この付加価値額というのは、簡単に申せば、売上高が減少していなくても、材料費圧迫などで利益が減少したり、給与が減少した会社にも補助金を出すよ、という緩和措置のようなものです。
ですからざっくり申し上げますと、「事業再構築補助金が採択されやすくなった」ということです。
舩橋会計は、財務大臣認定の支援機関として登録されておりますので、事業再構築補助金に必要な事業計画書を作成することが可能です。
TKCを使用されているお客様は、TKCの継続MAS(経営シュミレーションソフト)に連動して事業計画書を作成できますので、事業計画書作成部分は、無料となります。
TKC以外で会計処理を行っているお客様は、有料となります。
また事業再構築補助金の申請代行をさせていただく場合は、成功報酬として補助金の8%が発生いたします。
舩橋会計と顧問契約をされていない会社は、補助金申請代行は、お引き受け出来ません。

 

舩橋信治のコメント

事業再構築補助金の要件に該当しなくても、どんな取り組みに補助金が出されるのかご確認いただくことは有意義ではないかと思います。
この補助金のキーワードは、デジタル化です。デジタル化で新しいチャレンジをするなら補助金を出すと国が言っています。やっぱりデジタルなんですね。
なんでもかんでもデジタルにすればいいとは思いませんが、少子化で労働人口が減少する日本が先進国であり続けるためには、デジタル化は必須なんだと感じます。この補助金もデジタル化の要素が計画書の中になければ、そのアイデアがいくら斬新でも採択されないようです。
「いやいや、そんなデジタルとか新規事業とか挑戦しなくてもね、ワクチンがあるよ、ワクチンが広まれば元の世界に戻って売上は上がるからね。我慢と忍耐が大切だよ。」という考え方もあるかもしれません。
しかし、コロナ前と同じ状態の飲食店に人が戻るでしょうか?人々の心理の中には、感染の恐怖が植え付けられてしまったような気がします。今の時期に感染対策をしっかりしたお店が、アフターコロナで復活できるのだと思います。
面談でも同じです。絶対に面談でなければ話会えないと考えていた事案でも、ズームを使うと結構出来ちゃうという経験を多くの人がしました。そして、それがわかってしまった。もう以前のダラダラ会議には戻れない。従業員は、それを許さない。
目的がハッキリしていない面談なら、「ズームでいいんじゃないの」と考える人は今後も多いはずです。
ケンタッキーやマクドナルドは、コロナ前よりも利益が上がっています。これはドライブスルーやテイクアウトのシステムを持っているからです。おそらくアフターコロナでも、こういったドライブスルーやテイクアウトの形態を持っている店は、利益を出し続けると思います。
これは飲食業界の一例ですが、コロナ感染が広まる中で事業者がやるべきことは、アフターコロナに向けた準備だと考えます。
ワクチンでコロナ前に戻るという期待をせずに、アフターコロナに備えて、虎視眈々と準備をする事業者が、復活をすると思います。またそれを行った事業者は、他者を大きく引き離すと予測します。
準備のポイントは、以下の項目だと思います。
 デジタルを使う
 コロナ感染予防をしっかり行う
 デジタル化で非接触の時代だからこそ、体験型のサービスを取り入れること。人々は、物よりふれあいを求めている。

三越伊勢丹は、デジタルと接客(ふれあい)を融合させた面白い取り組みをしています。以下URLで
仮想都市プラットフォーム 「REV WORLDS」仮想伊勢丹新宿店が出店 | 三越伊勢丹オンラインストア【公式】 (mistore.jp)

こちらは、イルカのふれあいを売りにしている水族館です。
イルカとのふれあいビーチ | のとじま水族館 (notoaqua.jp)

矛盾する論理に聞こえるかもしれませんが、デジタル化の時代だから、あえてアナログで行くという戦略もありだと思います。その代わりアナログということは、お客様に移動時間を浪費させているので、それを超える体験を提供する必要があります。ユニークで貴重な体験をお客様に提供できるなら、アナログ最強だと思います。

 

アフターコロナと日本人の民族性

耐えるという行為は、日本人は長けている民族のようです。黒潮と対馬海流に挟まれた日本列島は、湿気が多くその湿気は、梅雨という季節をつくり出しました。梅雨時期は外に出れません。農作業も出来ません。畑作業で意中の思い人に会えるはずの若者達も、会うことが出来ません。待つ恋です。
山に当たった湿気が冷やされ雪となり、山間部では豪雪と貧困をもたらしました。
日本人は、海流がもたらす湿気によって、忍耐強くなったようです。

でもただ耐えることに長けているだけの民族なら、ウォークマンもカローラもリニアも生まれなかったはずです。戦後一見すると耐えるしかない状況であったにもかかわらずジャパン・アズ・ナンバーワンにまでなったのは、なぜでしょうか?
私は日本人がただの忍耐力でなく、創造的忍耐力(私の造語)をもっていたからだと考えます。日本人は、湿気の中でただ我慢するという実直なだけの民族ではなさそうです。

豪雪の中でも、白川村の合掌造(がっしょうづく)りにみられるように、屋根裏で蚕(かいこ)を生産しました。

平野では長い梅雨の時期でも、水車小屋を利用して織物生産をしました。

また一見、行き場のない山に囲まれた盆地では、
石見銀山に見られるように、灰吹き法の技術を生み出し、世界に銀を輸出しまくるという驚きの産業も生み出していました。

そうなんです。海流がもたらす湿気によって強い忍耐力だけでなく、その状況においてもアイデアによって活路を見出すという想像力も得ていたのです。
我々日本民族は、創造的忍耐力という特殊な能力をご先祖様から受け継いでいると感じます。それを思い起こせば、アフターコロナに備えて「我慢しつつ、でも、何かを準備する」ということは可能ではないかと感じます。

私も、そういいつつとても不安です。アフターコロナに対応した税理士事務所ってどんなだろう?どうすればお客様により価値の高いサービスを提供できるのだろう?と自問自答する毎日です。創造的忍耐力を発揮してお客様の笑顔を一つでも多くみられるように、所員一同精進してまいります。
以上です。