事務所通信 平成30年6月

6月の花火
おかげ様で私(舩橋)の子供も、少し大きくなり長男(右の写真)は小学校に入学できました。次男(左の写真)は、現在年中でお絵かきに夢中です。長女(2歳)は、最近は一人前の、主語と述語を使ったお話しをするようになりました。長女は、私に抱っこされていましたので、写真には写っておりません。
後ろのアジサイを見ると、亡くなった祖母を思い出します。祖母は、紫色が好きで、いつも紫色の服をきて近所の井戸端会議に出席しておりました。
きっとアジサイの影から祖母が子供たちを見守ってくれていることと思います。この後、お墓参りに行きました。子供は亡き祖母の存在をまだ知りませんが、いつかそれを知り、私が祖母に助けられたことも知るだろうと思います。

税理士 小牧市


つれづれ日記  スルガ銀行の凋落(ちょうらく)  17回目  舩橋

スルガ銀行の「かぼちゃの馬車事件」が世間を騒がせております。同銀行の行員が融資の際の審査書類を不正に改ざんしていたとのことです。つまり、融資実績を上げるためなら、ルール違反も厭(いと)わなかったということです。
もともとスルガ銀行は、知る人ぞしるオンリーワン銀行として高収益を獲得していました。その手法は、次の通りです。スルガ銀行は、住宅ローンに特化してきました。これは、かなり特異なことです。歴史的に銀行は、個人への融資を収益部門とは見てきませんでした。個人から預金をあつめて、その預金を他の企業に貸付をすることによって収益をあげてきました。各支店やATMは、その預金を集めるための集金システムであり必要コストだったのです。その中であえて、企業に目を向けずに個人の住宅ローンに特化したスルガ銀行は、常識の真逆をいくアウトローでした。そんなアウトローが高収益を獲得していたのです。
スルガ銀行は、融資の対象となりにくい顧客をあえてターゲットとしてきました。たとえばシニア層や外国人、転勤が多い会社員など、他行では融資を受けづらい顧客に積極的に融資を行ってきました。さらに住宅ローンの審査には、通常3日から5日かかりますが、スルガ銀行は早い場合には当日内に審査回答を出しました。これは、販売側の建設会社や不動産業者にとっては、たいへん有利なことで、見込み客にローンが付かないことが迅速に判断できれば、無駄な営業努力をしなくてもよいことになります。
さらにスルガ銀行は、企業向けの海外支店・大阪支店・新宿支店・渋谷支店も閉鎖し個人顧客にエネルギーを注ぎました。また住宅ローンに必要な機能に特化した「ハウジングローンセンター」もつくりました。

このようにスルガ銀行は、ある特定のターゲットに絞り込みライバルのいない領域にどんどん進んでいきました。これは、経済学的な視点からみても、成功する要素を多く含んでいます。勇気のいることだけど、誰もやっていないことを実行することによって、オンリーワン銀行になって高収益を生んでいたのです。それが、ある日突然新聞沙汰になってしまった。社会のモラルを無視して、犯罪行為といってもよいような業務をしてしまった。それは、なぜでしょうか?
おそらくスルガ銀行の行員たちは、シニア層や外国人・転勤族のために住宅ローンを勧めていたのではなく、自己の利益のために勧めていたのではないかと感じます。戦略はあっても、理念がなかったのではないでしょうか。
以前、会社を破産寸前から黒字企業に回復させた若い社長が、私にこう言いました。「俺はすごいよ。俺のおかげで、みんな助かったんだよ。俺って神様みたいなもんだよ」。このように調子がよくなってくると、人は自分自身を神格化させます。神格化された思考だと、自分が一番賢くて偉いんだ、という思いが出てきてしまいます。
きっとスルガ銀行の行員たちも、「高い利益を出しているから俺たちはすごい。ルール違反も怖くないよ」と思いあがってしまったのではないでしょうか。
神格化された思考をもつと、社会のために役に立つことをしようという気持ちはなくなります。その二つの思いは、相反するからです。社会のためにという思いがなければ、健康的で斬新なアイデアは生まれてきません。
そういえば将棋の名人・米長さんが過去にこんなことを言っていました。「調子のいい時ほど慎重に。調子の悪い時ほど楽天的に。」。
私も生活があるので、「お金のために仕事をしているわけではない」ということは言えません。しかし、仕事をしているときは常に、「社会や人様が少しでも苦しみや不安から逃れて楽になれますように」という祈りを込めて、そういう気持ちを持続させていきたいなと思います。なかなか難しいことではありますが。忘れないようにしたいです。


経営者クイズ

こたえ
B社の方が売上高も高いですし、最終的な当期純利益も高いですね。そのため、B社の方が、財務状態が良い・・・と思ってしまった方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、大切なのは中身です。
まず限界利益を比べるとA社は700でB社は1000です。
限界利益率を比べるとA社は700÷900=77%です。
B社は1000÷2000=50%です。
A社の方が、限界利益率が高く、効率の良い会社だとわかります。

当期純利益はA社が305でB社が600です。B社の方が、当期純利益が高いのですが、その原因は固定資産売却収入です。固定資産売却収入は正常な営業循環の活動から生じた収入ではありません。来期はもう固定資産売却収入は発生しないかもしれません。
経常利益を比べると、A社が300でB社が100です。正常な営業循環の活動から生じる安定的な収入はA社の方が高いです。

限界利益率と経常利益が高いA社の方がB社よりも財務状態が良いとなります。
売上の規模や最終的な利益よりも重要なものがあります。それは、限界利益率が高いことと、経常利益がしっかり出ていることです。


継続できる助言とは

 

舩橋会計では、TKCの継続MASというソフトを使って資金繰り計算や経営分析資料を作成したりしております。これって経営コンサルタントのやること?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。いいえ、舩橋会計は、経営コンサルタントではありません。

経営コンサルタントは、もっとドラマティックで、ドラスティックに大胆な忠告を積極的に行います。立地から人材採用そして商品内容・サービス内容にまで忠告をします。よく言えば緊急外科手術的ですし、悪くいえば会社の骨組みを壊してしまいます。

舩橋会計は、お客様に具体的な指示ということはしません。客観的なデータ資料をもとに、お客様ご自身に考えていただくというスタンスをとります。それは控えめで側面的なサポートといえます。そういったソフトな対応ですので、何度も継続することが出来ます。だから継続MASというネーミングをTKCは付けたような気がします。

一方、専門の経営コンサルタントは、1回限りです。1回限りで会社の骨組みを砕いて、全く新しい手法を提案してきます。これを何度もやったら会社は、解体してしまいます。継続は、出来ないのです。

また過去の成功事例は、ほとんど他の会社では通用しない場合が多いです。例えば、北海道で成功した営業戦略は、東京では通用しません。中堅企業で成功した製品開発は、ファミリー企業では採用できません。このように地域や気候や企業文化などがそれぞれ違うはずですので、過去の他社の成功事例を真似してみても、そのほとんどは失敗に終わります。事実、私は経営コンサルタントが入って破産した会社を何度も見てきました。

一方、多くの会計事務所は、税金以外のお話しは意図的にしません。そこで利益が得られるわけでもなく、効率も下がるからです。必要最低限の税金計算で完了するのが、普通の会計事務所のスタンスです。反対に、会計事務所の人間がその企業に干渉してどんどん積極的に指示的な忠告をしてきたら、企業側はもう嫌になってしまうことと存じます。

舩橋会計は、積極的な干渉をしません。しかし、無関心ではありません。その中庸にある謙虚で側面的な助言を、資料の提供という形でさせていただきます。そのようなソフトなサポートは、継続できるのです。そして何が問題なのかというテーマ自体を経営者に考えていただきます。なぜなら本当にその会社を熟知し、その問題の脱出経路を発見出来るのは、社長以外にはいらっしゃらないからです。


不動産経営裏面に和田京子さんの新聞記事を掲載いたしました。この方は、85歳で5億円を稼いでいる不動産会社社長だそうです。80歳で起業されたので、約5年間で年収5億円になられたわけですね。すごい、というか神がかっています。
もちろん短期間で大きな売上を達成した裏には、緻密な計算と戦略があるはずです。そして戦略だけでなく、気が遠くなるような努力もされたことと推察します。
私、舩橋は現在46歳で来月には47歳になります。もう歳をとることが新鮮ではなくなり、そこに喜びも哀しみもありません。ただただ毎日忙殺されながら、「あー、俺も人生の折り返しを過ぎたのだな」と思っておりました。
そんな折、和田さんの記事を見て、たいへん自分を反省したところです。体が老いるほどに、心構えや思考は若々しくなりたい、そういう粋な歳のとり方をしたいなと感じました。