事務所通信

事務所通信 平成29年5月

平成29年5月
つれづれ日記 6回目
税理士 舩橋信治
経営者の悩みの多くは、従業員との関係にあると思います。思うように従業員が行動してくれない、と困っている経営者も多いと思います。幸い舩橋会計の従業員採用は、成功していると思います。参考になるかどうか、わかりませんが、舩橋会計の採用方法をお伝えさせていただきます。
① ハローワークで募集する(お金がかからない)
② ハローワークの記事に、「ホームページを見て下さい」と書いておく
③ ホームページには、募集のための動画を張り付けておく
④ 動画では、経営理念とそれを支える行動指針の話をする
経営理念の冊子(20ページくらい)を作っているので、面接ではまずそれを読んでいただきます。
採用時に行動指針の解説を何度もしますから、後で従業員が行動指針を破るということは起きません。結果的に、私は殆ど怒る必要
もなく、従業員を徹底的に信用することができ、従業員に対する不満は全く生まれません。
これは、私の個人的な意見なのですが、人と人の関係というのは相性というのはあまり重要ではないと考えております。例えば、「ウマが合う」とか「気質が合う」とか「相性がいい」というのは、あまり大きな問題でなく、その人間の器の大きさが重要だと思います。
器の大きな経営者の下で、器の小さな従業員が働くのは辛いと思います。例えば、ロケットの部品を造りたいと思っている経営者と、既存の部品だけ造っていたいという従業員は一緒に仕事ができないと思います。
器の大きな人間は、器の小さな人間を破壊してしまうと思うのです。経営理念を支える行動指針を明確にしておくと、自然と経営者と同じ器の人間が集まります。行動指針には、経営者が最も守ってほしい原則を書きますから、それに賛同できる従業員は経営者と同じ器をもっている可能性が高いのです。
反対に自分よりも器の大きな人間が応募してきたら・・・そういった人は、いずれ独立していくのでしょうね。

経営理念を持ち続ける人
名古屋市熱田区で建築家として活躍されている富田さん。6年前から税理士顧問契約をさせていただいております。
富田さんの事務所に入って椅子に座ると、さっそく富田さんから経営理念のお話しや建築に対する哲学のお話しをしていただきます。
富田さんは、建築のテーマを「長く生きる」というふうに捉えております。長く生きて、長くそこに住むにはどんな建築が必要かということを、広い視点から考え続けておられます。
そんな富田さんにラッキーなお話しが入ってきました。大手ゼネコンのアドバイザーというお仕事です。現在は、富田さんのアイデアが商品化されたり、富田さんの意見に大手ゼネコンの社員が学ぶという形が出来ております。もちろんそれに伴う報酬も発生し、売上高も一気に増加しました。
富田さんは、自分のことを「建築界の異端児だ」と言います。でもそこが富田さんの魅力なのかもしれません。儲かる仕事や時代の流れにはあまり興味がなく、自分の好きなことをやり続けるので、必然的にオンリーワンになってしまうようです。富田さんにとって重要なのは、「それが好きか、嫌いか」です。
富田さんは、家をどんどん設計して商売繁盛させることにはあまり興味がありません。それよりも、建築の流れを変えたいとおっしゃいます。これは、大学や専門学校で講師をされている影響もあると思いますが、視点がいつも社会に向いています。
建築界を良くしたい。建築に携わる人に幸せになってもらいたい。という大きな志があります。きっとこれからも変わらぬ経営理念でお仕事をされると思います。そして、その経営理念に引き寄せられるように、多くの志ある人や魅力的な仕事が富田さんに集まると思います。
写真は、富田さん。名古屋市熱田区在住 。この文章は、富田さんの確認を得ております。
Mail tomitaarch@jewel.ocn.ne.jp  HP http://www.tomita-arch.jp

行動指針と言われても、イメージがよくわからない方も多いと思います。そのためフィクションではありますが、イメージしやすいように行動指針を下記に書いてみました。

(株)日本商事の経営理念
世界に日本の伝統文化を広め、世界を平和にする

経営理念を支える行動指針
① 会社の中では英語しか話してはいけない
② 日本の陶磁器の輸出のみを行う
③ 入社3年以内に京都と奈良の寺院を最低300カ所見学する
④ ニューヨークとパリを中心に営業戦略を展開する
⑤ 全役員・全社員の給与は公開する
⑥ 年間利益が1億円を超えたら、その分は賞与とする
⑦ 毎年 親の誕生日には、故郷へ帰って親に3万円以内のプレゼントをすること。その費用と旅費は、会社が全額負担する

ここでご注意いただきたいのは、行動指針は単なる精神論をぶちまけているわけではないということです。何をすれば高い利益を獲得できるかという戦略も計算されております。
一方、行動指針は戦略だけでなく、経営者の直感・霊的感覚で決定しても良いと思います。損得を超えた直感は、ときに最も信頼できるものとなります。

戦略的会計
会計にはいろいろなスタイルがある。という言葉をよく耳にします。しかし、これを正確に言い直すと「会計にはいろいろなレベルがある」ということになると思います。
会計のレベルは、下記のようになります。下に行くほど、レベルは上がります。そして、下に行くほど戦略的になります。
① 現金出納帳を作成し、現金実査が毎日行えている。
② 会計データを自社で入力している。
③ 事業計画を作成して現実と比較している。
④ 社内会議で経営状況を公開している。
⑤ 決算報告会を開催する。
いかがでしょうか?これは、私が勝手に決めているものではなく、会計の世界では一般的に認識されているものです。会計はお金を生む作業ではありませんが、しっかり会計をしていくとやがて大きなお金を生むようになります。
例えば②を行うと、経営者が直近の経営状況を把握できるようになります。
また③を行うと、次はどんなアクションを起こそうかと考える機会が増えます。
そして④を行うと従業員の意識が変化して、業績が向上してきます。
最後に⑤の決算報告会というのは、取引先や金融機関などを呼んで決算報告をするというものです。そして取引先や金融機関などに感謝の気持ちを伝えるとともに、今後の目標数値も発表します。
決算報告会を開く会社は、1%もないと思います。でもやってみませんか?これをやると周りの社長を見る目が変わります。
そして有利な取引が発生する可能性もあります。
いかがでしょうか?無機的で義務的な経理の作業も、それをしっかり行うと思いもよらない良い効果がたくさん生まれます。

経理は書類のお掃除だと思います。いつもお掃除をして、ピカピカにしておくと福も入ってきますよね。反対にお掃除をしないで領収書がボロ新聞のようになってしまったら貧乏神が入ってきますよね。
経理をしっかりやるだけで、業績は向上すると思います。