事務所通信

事務所通信 平成30年2月

つれづれ日記14回目    型の文化        平成30年2月6日
先日、うちの長男(6歳)の通っている幼稚園の授業参観がありました。内容は、剣道です。長男は、普段剣道は嫌いだと言います。先生が怖いらしいのです。しかし、この日は、剣道の防具を付けることができ、その防具が気に入ったようで、剣道は好きと言い出しました。
剣道や柔道、弓道、茶道、書道、香道など日本には、道という字の付く文化が多いです。これらは、全て型の文化ですね。一定の型を学ぶことに、全エネルギーが費やされます。型があると、自由がないようにも感じます。とても息苦しいような気もします。自由とは、型やルールのない無調整の状態をいうような気もします。
例えば政治で、自民党とか共産党とか民進党のように政治には一定のグループがあります。それに反して無所属というアナーキー(無思想)な立ち位置もあります。アナキスト(無政府主義者)は、「自分はアナキストだからどの考え方にも縛られない」と言ったりします。しかし、本人は気づかなくても「どの考え方にも縛られない」という考え方に縛られているのです。
これは会社にも当てはまります。うちの会社は、「どのスタイルにも属さない自由な方針」だ、と言ったとしても、それは、「どのスタイルにも属さない自由な方針」という方針に縛られることになります。究極的な例えではありますが、結局私達人間も組織も一定の型にはまらずに生きていくことは、不可能だと言えます。
また型とかルールというものは、人や組織を本当に拘束するものでしょうか?例えば、道路交通法が存在しなくて、「右でも左でもいいから好きなように走ればいい」とか「車が来ると思ったらストップすればいいから信号はありません」と言われたらどうでしょうか?そんな道は、とても怖くて車では走ることは出来ないですよね。道路交通法という一定のルールがあるから、私達は、車に乗って好きな時間に好きな所へ移動することが可能となります。
音楽ではどうでしょうか?ドレミファソラシドという音階は、教会音楽から生まれました。古典クラシックや歌謡曲は、この音階を使っているので聞きやすいです。ジャズであれば、ブルーノートスケールを使います。フラメンコならスパニッシュスケールを使います。ヨーロッパの舞曲では、ハンガリースケールを使ったものがよく知られています。つまり音階(スケール)という一定の型やルールがあるから、その中で自由な作曲が行なわれるのです。そして、いくら自由に作曲してもスケールという型を守っている以上、曲調は崩れないのです。
こうして考えてきますと、会社にも型やルールが必要なのではないか、そういったものがあった方が社員は自由な発想や取り組みが出来るのではないか、という気がします。反対に、全く型やルールのない会社というのは、とても怖いようにも感じます。型やルールがないということは、社長の「鶴の一声」で全てが決まってしまうからです。
ここで誤解を招かないように補足いたしますが、ここでお話ししている型やルールというのは、単に人を縛り付ける規則のことではありません。例えば、「朝は8時に出勤して遅刻してはいけません」とか「来客があったら、〇〇さんが煎茶を出しなさい」とか「金髪は禁止です」と言ったものではありません。ここでお話ししている型やルールというのは、あくまで社長の理念から生じた、その理念を守るために必要なルールということになります。「金髪は禁止です」というルールも社長の理念から生じているならば、それは人を縛るものではなくて、型と言っても良いかもしれません。
現実的にも社長の理念から発生した型やルールでなければ、従業員はそれを納得して守ろうとはしないと思います。理念なき、ルールの押し付けでは反発を招くおそれがあります。
社長の理念から生じた型を持っている会社は、自由をもっており、その自由な領域の中で社員は柔軟な発想を楽しむことが出来る、と私は現在のところ考えております。
息子は、剣道を続けるのでしょうか?気まぐれな子供なので、明日には別の何かをやりたいと言っているかもしれません。しかし、剣道というのは、考えてみるとつくづく不思議なスポーツです。剣道は、おそらく確実に相手を殺す方法を突き詰めていった末に、現在のルールが出来上がったと思うのです。武士が刀を差して歩いている時代に発展した武道が剣道です。武士が「習い事感覚」で剣道をやっていたとは思えません。本当に相手を殺すことを念頭において、剣道の練習をしていたはずです。でなければ自分が殺されるので。
相手を確実に殺す効率を究極に考え抜いた末に、型が出来た。そこに剣術ではなく剣道という「道」が出来た。道というのは、心の在り方も含めた人の生き方です。効率を究極的に求めていくとそれに相反する心にたどり着く、芸の不思議さというか奥深さを感じます。


平成29年度分の個人の所得税確定について

★申告期限:平成30年3月15日
★下記のうち該当する資料の送付をお願いします。
●国民健康保険料 支払証明のハガキ
●生命保険、地震保険料控除等 支払証明のハガキ
●年金の源泉徴収票 平成29度分
●給料の源泉徴収票 平成29度分
●医療費の領収書 平成29度分
●寄付金の証明書 平成29年分
●住宅借入金控除申告書 平成29度分
●住宅借入金控除のための借入金残高証明書
●個人事業主の方
●現金出納帳 、 クレジットカード明細
●通帳のコピー(A4サイズで130%コピー)
●売掛金明細、買掛金明細、棚卸残高(H29.12.31)
●賃金台帳
●不動産、株等の譲渡があった場合はその資料
お忙しいと存じますが、まだ上記資料を弊所に郵送されていないお客様は、早急にお送り下さいますようお願い致します。


平成29年度分の贈与税申告について

平成29年度中に下記の事項に当てはまる行為を受けた方は、平成30年3月15日までに贈与税の申告書を税務署に提出する必要があります。

  • 借入金を免除された場合
  • 実際の時価よりも著しく低い価格で資産を購入した場合(時価100万円を超えるような資産)
  • 家賃を払ってもらったなど経済的利益を受けた場合(年間の経済的利益が110万円以上の場合)
  • 生命保険金を受け取った場合で、被保険者や保険金受取人以外がその生命保険料を支払っていた場合
  • 年間に110万円をこえるお金を受け取った場合
  • 年間に時価110万円をこえる資産を無償でゆずってもらった場合
  • 土地や建物の名義を変更した場合
  • 株をもらった場合(株主名簿の変更)