事務所通信

事務所通信 平成29年10月

TKC自計化


写真は、お客様である(株)圀榮さまの経理担当者の方(以下Aさん)です。月次巡回監査でAさんとお話しさせていただくと、始終笑ってばかりです。ふざけているわけではありません。Aさんは、経理が好きなのです。でも初めから経理がお好きだったわけではありません。むしろ苦手でした。Aさんを拝見させていただきますと、「仕事というのは、そのレベルが向上するとそれを楽しむようになる」ということがよくわかります。以下Aさんに質問させていただきました。

舩橋:経理を始める前は、経理に対してどんな印象をお持ちでしたか?
Aさん:経理は難しくて、私に出来るのかな?と思っていました。でもやり始めたら面白いなと感じました。今では入力には自信が持てます。
舩橋:昨年から会計ソフトをTKCに替えていただきました。感想は?
Aさん:発生主義にすることが大変だと感じます。仕訳辞書をつくることは楽しいです。コレクションを増やすように、仕訳辞書を増やしています。
舩橋:経理のお仕事には、だいたい平均して一日何分くらいかけるのですか?
Aさん:経理業務はだいたい平均すると一日15分くらいやっています。今は、TKCソフトを完璧に使いこなすことを目標にしています。
舩橋:この記事をお読みいただいている方の中には、経理に苦手意識があったり、経理をすること自体をストレスに感じている方もいらっしゃると思います。そんな方へ、何かメッセージをいただけませんか?
Aさん:経理は誰にでも出来ると思います。頑張ってください。経理処理をためないで早めに処理することにより、「お金の流れ」が把握できるようになりました。自分で早めに入力するとメリットがあります。

解説 快くインタビューにお答えいただいたAさんに感謝申し上げます。実は、Aさんは、かなりのスポーツマンです。高校にはソフトボールの特待生で入学されたほどです。私はスポーツを頑張っていた人が好きです。スポーツマンは、根性があるからです。そして上達するプロセスをよく知っているからです。

もうAさんは覚えておられないかもしれませんが、ある日Aさんは独り言のように次のようなことを言われました。「これからはTKCになるから、税務署を恐れないで安心してやっていけるんじゃないかな」と。私は、この言葉が大変うれしく、有難く感じました。そして、出来る限りTKCスタイルでサポートして圀榮さんのお力になれるよう努力しなければならないと感じました。
TKCは、税務署に対して強いスタイルということが言えます。理由は、下記の書類を添付することが出来るからです。
① 税理士法 第33条の2 の書類
これを提出すると、税務署はすぐに税務調査へ進むことが出来なくなります。
② 記帳適時性証明書の発行
これは毎月遅れずに会計処理をしている証拠です。税務署だけでなく金融機関に対してもアピール出来ます。
③ 継続MASの活用
資金繰り活用ソフトです。無理な節税をする必要があるかどうか判断できます。


皆様は少年時代には、どんなスポーツをされておりましたでしょうか?サッカークラブや少年野球チームあるいはスイミングクラブなど入っておられた方も多いと思います。私は、小さな頃にはスイミングクラブに入っておりまして、練習中によく平手でほおをたたかれました。誰かが「舩橋君が練習の邪魔をする」と先生に嘘をついたりしました。すると先生は、確認もせずに理由も言わずにいきなり私のほおをたたきました。・・・そんな理不尽な少年時代の経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。つまり先生からの暴力は、指導方法として公に認められていた時代があったのです。
そうやって育ってきた年代が、今は会社では上司や経営者という立場になりました。そのため部下に対する指導方法も大変厳し方法を採られる方も未だに多いと感じます。

かつて心理学者のジグムント・フロイトと話す機会があった人が、つぎのように説明しております。
「フロイトのことは生涯忘れられない。彼には、わたしがこれまでに会っただれにもない資質が見うけられた。彼の目はおだやかでやさしかった。精神分析のときの『魂を見通す眼』などまったく感じさせない。声は低く、あたたかで、身ぶりはほとんどない。私のことばに注意を集中し、へたないい回しにも耳をかたむけ、それなりの評価を与えてくれた。このような聞き方をしてもらえたことが、わたしにとってどんなにすばらしい経験だったかご想像にまかせる」。

上記のことばからもわかるように、人を非難する努力を、人を理解する努力にかえると、その人はたいへん満足し、こちらのことを生涯覚えていてくれるということになるようです。そういえば中日ドラゴンズの元監督である落合博満さんは、名選手であるとともに名コーチでもありました。監督時代に4度のリーグ優勝と1度の日本一を達成しました。その落合監督の指導方法は大変面白いです。ただ見ているだけらしいのです。

落合監督自身は3度の三冠王を達成したくらいですから、バッティングの技術やコツというのは、誰よりも知っているはずです。そして誰よりも適切な助言ができるはずです。その人が、「ただ見ているだけ」なのです。もしかしたら、「技術は自分で見つけるしかない。誰かの成功法則は別の誰かにも当てはまるわけではない。」といった考えがあったのかもしれません。

今、私は子供に教材を使って「ひらがな」を教えています。先生は、「子供の自主性が大事ですから一人で勉強させてください」、と言われます。でも私は、子供の横で初めから終わりまでじっと見ています。ただじっと見ているだけです。なぜだかわかりませんが、そうすることが非常に重要だと感じるからです。今のところ子供は勉強することが楽しいようです。

仕事では従業員さん全員の仕事ぶりを横でじっと見ているわけにはいきません。私自身もやるべきことがたくさんあるからです。でも、なるべく細切れの時間や休憩時間を使って、従業員さんの仕事を見る時間をつくりたいと思います。